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【新着論文】犬のリンパ球のがんにおける遺伝子調節タンパク質EZH2の機能解析と細胞生存メカニズムの解明

論 文 名:
Enhancer of zeste 2 polycomb repressive complex 2 subunit overexpression suppresses apoptosis in canine T-cell lymphoma : an in vitro functional analysis
(和訳)犬T細胞リンパ腫におけるEZH2ポリコーム抑制複合体2サブユニットの過剰発現がアポトーシスを抑制する:in vitro機能解析
著  者:
川村 ほのか1)、石川(篠原) 里奈1)、岡村 飛鳥1)、河野 晋2)
Viviana Gonzalez-Astudillo3)、若林 あや子4)、相川 裕規子5)、北林 一生6)、水野 拓也7)、後藤 典子8)、道下 正貴1)9)、町田 雪乃1)10)
1. 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 病態獣医学部門・獣医病理学研究室
2. 金沢大学がん進展制御研究所 腫瘍生物学研究分野
3. School of Veterinary Science, The University of Queensland
4. 日本医科大学 微生物学・免疫学教室
5. 国立がん研究センター研究所 免疫創薬部門
6. 藤田医科大学 腫瘍医学研究センター 遺伝子制御研究部門
7. 山口大学 共同獣医学部 臨床病理学研究室
8. 金沢大学がん進展制御研究所 分子病態研究分野
9. 日本獣医生命科学大学 ワンヘルス・ワンウェルフェアセンター
10. 東京農工大学 共同獣医学部 獣医病理学研究室
掲載雑誌:
Frontiers in Veterinary Science(2026年、13巻 1823343):Frontiers Media S.A.
研究内容:
 犬のT細胞リンパ腫(免疫を担う細胞の一種である『T細胞』のがん)の悪性化メカニズムにおいて、EZH2(Enhancer of zeste homolog 2)というタンパク質が細胞死(アポトーシス)を抑制する重要な役割を果たしていることを明らかにしました。本研究では、犬のT細胞性リンパ腫の培養細胞を用いたin vitro(試験管内)での機能解析を行い、その研究成果が国際学術誌Frontiers in Veterinary Scienceに掲載されました。
 犬のリンパ腫は非常に悪性度が高い疾患であり、その中でも特にT細胞リンパ腫は治療抵抗性を示すことが多いことが課題となっています。これまで、ヒトの多数の腫瘍でEZH2の過剰発現が腫瘍の発生に関与することが知られていますが、犬のT細胞リンパ腫における役割はほとんど未解明でした。本研究では、EZH2がアポトーシスを抑制することで腫瘍細胞の生存に関与していることを示しました。この知見はEZH2が犬のT細胞リンパ腫における新たな治療標的となる可能性を示すものであり、今後は本知見を基盤として、より効果的な新規分子標的治療法の開発につながることが期待されます。
(文責:川村ほのか)

■研究者情報

道下 正貴(獣医学部 獣医学科 病態獣医学部門 獣医病理学研究室・准教授)