ブログカテゴリーイメージ
前へ戻る

第210号:第四胃変位整復術実習を振り返って

2019/8/7 更新

獣医学部獣医学科 産業動物臨床学研究室

獣医学科4年次 津田 千幸

 今回私は、富士アニマルファームにて富士山デイリークリニック・後藤先生をはじめ研究室の先生方のご指導のもと、第四胃変位整復術を執刀させていただきました。今まで実習などで何度か第四胃変位整復術を見学しておりましたが、実際に自分の手で手術を行うことは初めてで、緊張と不安の中での手術でした。事前に参考書などで術式などは学習しましたが、生きた牛を前に実際に自分が執刀するとなると戸惑うことばかりでした。手術中に腹腔内に手を入れ第四胃を探しましたが、なかなか第四胃を触ることができず苦労しました。解剖学の知識があっても実際の臓器の場所や触った感覚は実際に体感しないとわからないものでした。手術を通じて多くのことを学ぶことができました。
 多くの現場の獣医さんは、これらの手術を一人かつ短時間で行っています。短時間で行うことで牛への負担が軽減されますが、ここまでに到達するには沢山の経験や努力が必要な事がわかりました。今後も様々な経験を積み、日々の勉強を頑張ろうと思いました。また今回のような生体を用いての実習はなかなかできることではありません。実習牛に感謝し、このような大変貴重な経験をさせていただきました牧場の方々、先生方やサポートしてくださった室員の方々に感謝致します。本当にありがとうございました。

獣医学科4年次 南 由実子

 5月18日に、富士アニマルファームにて第四胃変位整復術を執刀させていただきました。第四胃変位整復術は、1984年ごろにスコットランドで最初の手術例が報告されて以来、多くの手術法が報告されています。切開部位の違いにより、第四胃ガスの減圧の容易さ、整復の容易さが異なり、第四胃の固定部位も、胃の幽門部なのか胃底部なのかの違いがあります。また、術者の技量や、助手の有無などにより、できる手術法、できない手術法があります。今回私が行ったのは、ハノーバ法という手術法で、右膁部からアプローチし、整復した第四胃幽門部漿膜及び大網を腹壁に固定する比較的非生理学的な固定方法です。この手術法は、助手がいなくても一人で行うことができ、牛が立ったままの状態で手術をすることができます。また、ストレスは最小限に抑えられると言われています。
 切開部位から腹腔内に手を入れ、臓器を触診して手から伝わってくる感触などから、教科書上だけでは決して学ぶことができない生体の尊さなど多くのことを感じ、学ばせていただきました。術後の合併症には、腹膜炎、膿瘍形成などがありますが、術後良好だったので安心しました。
 今回このような実習の機会をくださった牧場の皆様をはじめ、先生方、サポートしてくれた室員に感謝いたします。ありがとうございました。

■関連ページ