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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第245号:2023年度動物衛生学実習Ⅰを富士アニマルファームで実施しました

2023/07/31 更新

獣医衛生学研究室 教授 田中良和、准教授 落合和彦
産業動物臨床学研究室 教授 味戸忠春、准教授 三浦亮太朗
獣医内科学研究室 准教授 手嶋隆洋、講師 鈴木亮平
富士アニマルファーム 助教 萩田祐二朗

 2023年7月10日~13日に本学付属牧場の富士アニマルファームで3年生対象に動物衛生学実習Ⅰを行いました。3Vの牧場実習は2019年以来4年ぶりの実施となりました。学年を2班に分け、前後半(約40名ずつ)に分けて、それぞれ1泊2日で実施しました。本実習では1~3年生に掛けて解剖・生理等を座学で学んできた産業動物に初めて触れ、自らの手で保定や触診・聴診等のハンドリングを中心に行いました。本実習には、獣医衛生学・産業動物臨床学・獣医内科学研究室および牧場教員が参加し、それぞれの専門分野について、学生に実技を交えて指導しました。具体的な内容は、

・ロープワークによる牛の保定と非侵襲的な臨床検査技術の習得
・豚の臨床観察手技と保定法の習得
・馬の臨床観察手技と歩様観察技術の習得
・搾乳衛生に関する実習
・牧場での家畜衛生管理方法の習得

 などを目標として行いました。参加学生は、朝4時と昼15時半からの搾乳等、日常生活とは違う牧場のペースに戸惑いながらも積極的に学んでいました。搾乳牛・乳肉育成牛・黒毛和種等、飼養形態が異なる飼育動物の特性や飼料の違い、さらには排せつ物の堆肥化処理方法等、現場でしか学べない事柄を興味深く観察し、吸収している様子でした。

 現在のカリキュラムでは、学年が一堂に会して行う宿泊実習は獣医衛生学実習のみなので、学習面だけでなく、親睦を深められた実習だったと感じています。

 獣医衛生学実習は4V後期にも開講されており、さらに専門的な内容を実施する予定なので、今後も学修を深め、高い視点で参加できることを期待しています。

▲日の出前に実習開始

▲まずは基本のロープワークで枠場づくり

▲自分たちで作った枠場に牛を安全に保定

▲馬の特性を学んでいます

▲歩様のチェック

▲搾乳衛生実習

▲ちょっと休憩

■関連ページ

獣医衛生学研究室
産業動物臨床学研究室
獣医内科学研究室
富士アニマルファーム

■「動物衛生学実習Ⅰ」 シラバス概要

全体目標

 動物衛生学が対象とする産業動物の飼育環境と管理方法、疾病予防・防除方法、畜産廃棄物の管理方法など家畜予防衛生に関する基本的技能と手技を、関連する法規の趣旨とともに習得することで、獣医学科の学生が獣医臨床学・予防衛生学を総合的に理解する。

一般目標

  1. 1. 牧場での家畜の取り扱いと牧場管理の基礎知識と技能を修得する。
  2. 2. 家畜の生体観察と測定に関する基礎知識と技能を修得する。
  3. 3. 乳用牛と肉用牛の牧野並びに農場における衛生管理技術の基礎知識と技能を施設見学、衛生検査などを通じて修得する。
  4. 4. 消毒薬の適切な使用方法と効果測定方法に関する基礎知識と技能を修得する。
  5. 5. 乳用牛の乳房炎の診断法と肥育牛のビタミン測定法に関する基礎知識と技能を修得する。
  6. 6. 生産農場における防疫対策と検疫方法に関する基礎知識と技能を修得する。
  7. 7. 豚と鶏の衛生管理方法を理解するために、施設見学を通じて基礎知識と技能を修得する。
  8. 8. 畜産廃棄物の管理衛生方法を理解するために水質汚濁負荷量の測定と施設見学を通じて基礎知識と技能を修得する。
  9. 9. 家畜衛生に関する行政機関と研究機関を見学することにより、その職務と使命を総合的に理解する。

授業形態

1班6人以下の班単位で実習を行う。

概要・スケジュール

牧場におけるバイオセキュリティーを踏まえ、病原体を持ち込まない・持ち出さないことを念頭において実習を行うことを学ぶ。
牛の管理衛生、豚の衛生管理、馬の管理衛生、ニワトリの管理衛生、家畜の糞尿処理法、家畜伝染病予防法に基づいた管理方法などを学ぶ。