獣医学科2年次 奥田 育恵
私は、1年次のとき、長期休暇中の4週間を利用して、フィリピン大学獣医学部とフィリピン大学附属動物病院へ実習に行きました。
今回、私が海外を実習先として選んだ理由は、英語で獣医学を学ぶ経験を学生のうちにしておきたかったからです。
実習では、色々な分野の仕事を見ておきたいと思い、大学附属動物病院のうち小動物専門の病院と、大動物診療も行っている病院の2か所で実習をさせていただきました。
小動物専門の病院では、1日当たりの来院件数が多く、とにかく1日があっという間で、忙しい中でも、どのようにすれば効率よい獣医療を提供できるのか、ということを学ぶことができました。また、大動物の診療を行っている病院では、日本に比べると、フィリピンではカラバオなど珍しい家畜の種類が多く、大動物診療の魅力や面白さを知る、貴重な経験となりました。
フィリピンへ獣医学生として留学してみて驚いたのが、学生の主体性をとても尊重してもらえることでした。
1年生(実習参加時)では、高学年の授業を聴講したり、オペ実習などには参加させてもらえないと思っておりましたが、「低学年だから、これはできない。」という考え方ではなく、積極性や知識、勉強する意欲があれば参加させる、という姿勢に、とても感動しました。大学の授業や、病院内でも獣医学生の発言や行動が積極的で、常に主体性というものを意識させられました。そのような環境で過ごせたことを、とても嬉しく思います。
また、フィリピンの先生方から教えて頂いた獣医療の課題となる家畜・ペット飼育によって引き起こされる問題や、人獣共通感染症のコントロールは、フィリピンの情勢や経済状況が深く関わっており、実習を通してこのことを身をもって感じました。そして、これをきっかけに、日本の獣医療の現状や動物福祉についても、今までとは違う視点から考え直す良い機会となりました。最後になりましたが、大変貴重な経験をさせていただき、お世話になった全ての方に心より感謝申しあげます。