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「野生動物の魅力を多くの人に伝えたい」

新井 優希 さん
獣医学部 獣医保健看護学科 2018年3月卒業
勤務先 群馬サファリ・ワールド株式会社

■現在の仕事内容について教えてください

 私は現在、群馬サファリパークで動物飼育員として働いています。担当動物は、「アジア・アメリカゾーン」というエリアにいる、ヒトコブラクダ、ニホンジカ、ファロージカ、アメリカバイソン、アメリカエルクです。仕事内容は、展示場や獣舎の清掃、餌やり、動物の監視、制御(動物の行動を安全に管理すること)等です。動物たちがエリア内で自由に行動できるようになっているサファリパークでは車を使って動物の行動をコントロールする場合もあるので、運転技術も必要になります。
 また最近では、園の動物たちの情報をSNSで発信したり、メディアの取材に応じる等の広報活動にも携わっています。

■獣医保健看護学科で学んだことで現在の仕事に生かされていることを教えてください

 野生動物学の講義や実習はもちろんですが、その他の様々な講義や実習で学んだ知識や技術が役立っています。例えば、動物内科看護学実習では犬猫の保定法(治療を安全に行うために、動物を不動化する専門技術)を学びました。現在扱っている動物の大きさは犬猫とは異なりますが、獣医師の治療を補助する際に実習で学んだ保定法が生かされています。さらに病気の知識や薬剤等の名称も獣医保健看護学科の講義で学んだことのあるものが多いので、獣医師の説明を理解しやすいです。動物の行動を管理する際には、動物行動学や動物トレーニング実習などで学んだ条件付け等の知識が生かされています。在学中、実際に学んでいたときは動物園の仕事との関連性に気づきにくかった講義や実習でも、現在の仕事に役立っていることが多いです。
 また、私は獣医保健看護学科で学芸員資格も取得したのですが、学芸員課程で学んだ内容も現在の仕事に役立っています。動物園のブログを作成する際には、どのような文面だとお客様に動物園の楽しさが伝わるのか等の表現方法が生かされていますし、博物館と合同で計画している企画展では動物の解説パネルや骨格標本作りも行う予定ですので、学芸員実習での経験が役立つと思います。

■在学生や受験生の方達へのメッセージをお願いします

 高校生の時に動物園への就職を考えた上で、日本獣医生命科学大学の獣医保健看護学科を受験しました。受験を決めた理由は受講できる実習の多さで、分野選択の幅が広いことや、多彩な分野の専門家の先生がいらっしゃることも、将来に役立つのではないかと考えたからです。在学当時は、動物園の仕事とあまり関連が深くないように感じられた講義や実習も、就職してからは、学んだ全ての知識と技術が繋がっていて、今の仕事に役立っていると感じます。そのため幅広い分野の講義や実習を積極的に受けてみることが必要だと思います。また、動物園への就職を考えている方は、様々な園館に実習に行き自分に合った動物園を見つけることをお勧めします。