食のいま

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第9号:「マヨネーズの値上げから思うこと 3/4」

 安定な食料供給を持続させ、且つエネルギー資源を確保するために私達がすぐに取り組める対策の一つは、これらの資源を無駄遣いしないことです。しかし、今後、原油価格の高騰や化石燃料の枯渇問題が深刻化すると、CO2排出削減から地球温暖化防止にも繋がる代替燃料として、バイオ燃料は確かに魅力的ではあります。その需要はもっと伸びるでしょう。とはいえ、バイオ燃料「生産」の段階で、その原料を食料資源・農耕地に求めてしまうのは極力避けたいところです。今はそれがうまくいかず、様々な食料品が値上がりしつつあります。農産物が豊富に余っている国では、バイオ燃料資源と食料資源の境界が曖昧になってしまうのかもしれませんが、そんな国は世界で小数派です。
世界中で色んな物資が行き交い、ある意味それらが共有されているような今の社会では、非可食資源、あるいは余剰廃棄物からエタノールを製造するなどの方法で食料資源との競合を抑えなければ、食料をめぐる争いがどこかで生じてしまいます。そんな争いに巻き込まれないように、そして争いが起こらないようにするため、食料とエネルギーの生産力を高める取り組みが必要です。(つづく)