食のいま

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第11号:「食品の味と香り-「口中香(か)」って何でしょう?(1)」

私たちは、毎日いろんな食品を食べています。牛肉を食べれば「牛肉の味がする」、イチゴを食べれば「イチゴの味がする」、ニンジンを食べれば「ニンジンの味がする」と思っていますよね。でも、それは本当に「味」でしょうか?

ためしに、鼻をつまんで今言った3つの食品を食べて見てください。どうです、「味がしない」でしょう?

「味がしない」と言いましたが、鼻をつまんだままで注意深く味わってみると、牛肉はうま味を感じ、イチゴは甘味と酸味を感じ、ニンジンも甘味を感じるはずです。でも、牛肉だ、イチゴだ、ニンジンだとわかる味がしませんよね。

食品の味の種類は、酸味、甘味、塩味、苦味、うま味(だしや味の素の味)の基本味と渋味、辛味の7つしかありません。これらは、舌で感じるものなので、鼻をつまんでも感じることができます。だから、牛肉のうま味、イチゴの甘味と酸味、ニンジンの甘味を感じることができたんです。

それじゃ、牛肉だ、イチゴだ、ニンジンだとわかる味はどこへ行ったのでしょう??? 実は、鼻をつまんだときにわからなくなったこれらの「味」は、味ではなくて香りだったんです。(つづく)