教員からのレポート

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食品科学科1年次「食べ物の科学 入門」の「食べ物とおいしさ」演習を実施

小林 優多郎 助教(食品化学教室)

楽しそうに講義を受ける学生達
スライドを使って香りについての説明を受ける様子

 平成30年度からの新しい授業として「食べ物の科学 入門」が開始しました。この授業では、食品科学科へ入学したての1年次生に向けて、これから学ぶ食品科学という専門分野の概要について、講義と実習形式を交互に行い学生の能動的な学習(アクティブラーニング)と知識の定着を促すようなカリキュラム構成を考えています。平成30年度は、食べ物を題材にした科学的レポートの書き方、食べ物とおいしさ、食べ物と健康、食べ物と安全といった項目に分けて、30~40名程度のグループで交代に学んでいきます。

 平成30年度の「食べ物とおいしさ」演習は食品工学教室(担当内容:食感)と食品化学教室(担当内容:味と香り)の教員が担当しました。「食感」をテーマにした演習では、食感表現(オノマトペ)と官能評価に関する講義を行い、硬さの異なるスポンジケーキを食べて、食感をオノマトペで説明させる演習を行いました。「味と香り」をテーマにした演習では、5つの味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)、味覚受容体、食品を食べた時に感じる香り(別名:口中香、レトロネーザルアロマ)などに関する講義を行い、様々な味や香りを自ら体験する演習を行いました。甘味(砂糖溶液)や酸味(お酢の希釈液)などの基本味に加えて、うま味の相乗効果(グルタミン酸ナトリウムとイノシン酸の混合溶液)を一人ひとりが確認しました。そして、5種の鍵化合物(特定の食品を想起させる香気成分)の匂いを嗅いで、どのような食品の香りであるかを考えさせました。答え合わせの際は、驚きや納得の声が上がり、鍵化合物の香りを再度確認する姿も見られました。さらに、アクティブラーニングの一環として、食感は似ていて味が異なると思う食品を事前に2つ考えて、当日に持参させました。鼻を閉じて、あるいは、鼻を開けてその食品を食べたときの味、香り、食感について記述させました。学生が持参した食品の組み合わせは、柑橘類、風味が異なる焼き菓子類、フルーツドリンク類、プリンと豆腐など様々でした。お互いに食品を交換して、味や香りの違いを確かめる姿も見られました。今回の演習を通じて、普段食べている食品のおいしさは、食感、味、香りの組み合わせとそのバランスに起因することを1年次生一人ひとりが再認識するきっかけになったと思います。食品科学科の教員がオムニバス形式で進めてきた「食べ物の科学 入門」で体験したことを契機として、食品のおいしさ、安全、健康機能などの食品科学について今後も学習を深めていってほしいと願っています。

■「食べ物の科学 入門」シラバス概要

授業のねらい

食品科学科でこれから学ぶことがらについての基礎として、食べ物を題材にした科学的レポートの書き方、基礎実験知識等を学び、食品科学の基礎を身につける。

到達目標

食べ物の科学で学ぶ様々な分野の基礎をしっかり身につけて、今後の食品科学科の各講義、実験への準備をすること。また、個々人の将来の食品分野での目標を見極めること。

授業形態

演習(座学及び実験)

主な授業内容

  • ・食品流通の基礎および食品の基礎について学ぶ
  • ・レポートの書き方の基礎、図書館利用法について学ぶ
  • ・書いたレポートを添削してもらい、書き方を身につける
  • ・3班(A:食べ物と健康、B:食べ物とおいしさ、C:食べ物の安全性)に分かれて演習実施