獣医衛生学研究室 教授 田中良和、准教授 落合和彦
産業動物臨床学研究室 教授 味戸忠春、講師 三浦亮太朗
2022年10月3日~7日に本学付属牧場の富士アニマルファームで4年生対象に本実習を行いました。コロナ禍により学外での宿泊を伴う実習が中止となっていたため、2019年以来の牧場実習です。学年を2班に分け、前後半(約40名ずつ)に分けて、それぞれ2泊3日で実施しました。本実習は3年生前期に産業動物のハンドリングを中心に行った動物衛生学実習Ⅰ(コロナ禍のため学内で実施)に続き、より臨床的・専門的な内容を含んでいます。本実習には、獣医衛生学、産業動物臨床学の他、獣医内科学、獣医臨床繁殖学および牧場教員が参加し、それぞれの専門分野について、学生に実技を交えて指導しました。具体的な内容は、
・産業動物の健康状態を知るための生体材料(血液、尿など)の採材方法の習得
・産業動物の交配適期や妊娠状態を知るための検査方法の習得
・産業動物の消化管の状態を知るための胃内容物の採取方法の習得
・家畜の飼養環境や衛生管理状態の評価方法の習得
などを目標として行いました。4年生は入学後、初めての本格的な牧場実習となったため、普段とは違う同級生や教員の姿に興味津々でした。実習開始時は体の大きな牛にびっくりしていましたが、実習が進むと学生だけで体重数百キロの牛の動きを制御できるようになっていました。限られた実習期間ではありましたが、学生の将来の選択肢に影響を与える可能性を持つ、内容が濃い実習となりました。2023年度からは3年生の動物衛生学実習Ⅰも富士アニマルファームで行う予定です。
なお、実習実施にあたっては、感染症対策に留意して行いました。
▲牛を囲んで興味津々
▲牛を触る前にシミュレーターで練習
▲教員(獣医師)による採血のデモンストレーション
▲山羊を用いた実習
▲内科学実習の風景
▲富士山をバックに記念撮影
動物衛生学が対象とする産業動物の飼育環境と管理方法、疾病予防・防除方法、畜産廃棄物の管理方法など家畜予防衛生に関する基本的技能と手技を、関連する法規の趣旨とともに習得することで、獣医学科の学生が獣医臨床学・予防衛生学を総合的に理解する。
班毎に分かれたグループワークで実施する。
牛の管理衛生、牛の繁殖衛生、牛舎の環境衛生測定法、牛の飼料に関してその分類、エネルギー効率を学ぶ。
牧野における中毒植物について学習する。