食のいま
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第27号:「あまい話(その3)甘さ以外に役に立つ糖は?」

 右の図に示した糖は、トレハロース(Trehalose)と呼ばれるぶどう糖が2分子結合した天然に存在する二糖類です。同じくぶどう糖が2分子結合してできている麦芽糖と比べて、どこの結合の仕方が違っているのかわかりますか?

 トレハロースは、シイタケなどの茸や海草に多く、乾燥シイタケを水で戻した時に良い食材になるのは、細胞がこの糖を含んでいるからだと考えられています。

 トレハロースの甘さは砂糖の半分くらいですが虫歯になり難く、小腸で分解され、ブドウ糖として吸収されますので、栄養学的なエネルギーはグラムあたり4キロカロリーです。ところが、血糖の上昇が緩やかでインシュリン分泌が低い特徴を持ち、スポーツ栄養食品・飲料への使用も期待されています。

 乾燥や凍結から受けるダメージを防いでくれる作用をもつので、しっとり感を保つコンビニのおにぎりや各種の冷凍・レトルト食品、和洋菓子、さらには、お肌に潤いを与える化粧品、入浴剤などにも利用されています。

 近年、微生物酵素を用いてデンプンから安価にトレハロースを製造する技術が開発されたため、利用の幅が広がっています。食品のパッケージの原材料表記を チェックしてみてください。身近な食品に「トレハロース」の文字を見つけることができるはずです。同じぶどう糖からできていても、結合の仕方が異なると特別の性質が発揮されることもあるのですね。いろいろな糖質の持つ機能性を調べてみませんか?