食のいま
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第59号: 泡の力

 日常生活の中には、ビール、清涼飲料水、石鹸など様々な泡が存在しています。金魚などを飼育する水槽に酸素を供給する場合にも、空気を泡状にして表面積を大きくすることで、水中に溶けやすくしています。また、泡の表面には疎水性物質を吸着しやすい性質があります。例えば、ビールの泡は二酸化炭素でできていて、この泡に苦味成分であるイソフムロンなどが吸着します。さらにこの泡が濃縮することで、苦味を強く感じます。
 ここ数年、髪の毛の太さくらいの小さな泡の利用が様々な分野で注目されています。このような50μ(マイクロ)m以下の泡は、マイクロバブルと呼ばれています。さらに小さなナノ(マイクロの1000分の1)オーダーの泡は、ナノバブルと呼ばれています。マイクロバブル・ナノバブルは非常に小さな泡なので、表面積が非常に大きく、液体との接触面積が広くなります。また、浮上速度が遅いので、水中に長時間留まっています。このようなマイクロバブル・ナノバブルの性質を利用した植物や魚介類の生育促進、脱脂・歯・ペットなどの洗浄、殺菌などの研究が行われています。私の研究室でも、二酸化炭素のマイクロバブル・ナノバブルを利用した清酒の殺菌・酵素失活について研究しています。近い将来、二酸化炭素の泡の力で殺菌・酵素失活した清酒が販売されることを目指しています。

参考文献
「泡」技術 柘植秀樹・海野肇著 工業調査会
マイクロバブルの世界 上山智嗣・宮本誠著 工業調査会

「泡の力」著者、小林 史幸先生が、
11月1日のオープンキャンパスにて
体験講義を実施します!

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