食のいま
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第61号: 炭酸の味

昨年の夏にTV番組や雑誌などで二酸化炭素(炭酸)の効能や様々な食品に二酸化炭素を入れることが取り上げられていました。ご存知ですか?

二酸化炭素は大気中に約0.03%存在する身近な気体で、水に非常に溶けやすい性質があります。二酸化炭素が水に溶けた液体が炭酸水ですが、炭酸水自体の味は、個人差はありますが、酸っぱいと感じるのが一般的なようです。これは炭酸の刺激により口腔内の酸味感受細胞が活性化するためです。炭酸水を飲んだときに感じるシュワシュワは、口腔内の炭酸脱水酵素の働きによるとされています。この酵素が炭酸(H2CO3)から水素イオン(H+)と炭酸水素イオン(HCO3-)を形成し、このイオンが三叉神経を刺激することでヒトはシュワシュワとした刺激を感じます。また、飲料に二酸化炭素を入れて炭酸飲料にすると香りを強く感じさせる(香り立ちが良くなる)ことが知られています。味についても上記の理由で、飲料を炭酸にすると、酸味を強く感じるようになり、甘味、塩味、苦味は感じにくくなります。

参考文献
駒井三千夫ら, 浦上財団研究報告書Vol.6, 118-126 (1998)
Cowant, Chemical Senses, Vol.23, 397-402 (1998)
Chandrashekar et al., Science, Vol.326, No.5951, 443-445 (2009)

ビールの充填などに使用されている市販の炭酸ガスボンベ

▲ビールの充填などに使用されている市販の炭酸ガスボンベ

「炭酸の味」著者、小林 史幸先生が、2015年7月12日(日)オープンキャンパスにて、オープンラボ体験型イベント「泡泡実験をやってみよう」を実施しました!オープンラボは8月22日(土)のオープンキャンパスでも実施します。詳細は、受験生向けイベント特設サイトにて公開予定です!

■平成27年度 受験生向けイベント特設サイト

キャンパスフェスティバル2015
作者:小林 史幸(食品工学教室 助教)
一言:二酸化炭素は地球環境にとって悪者ですが、食品科学の分野では幅広く研究されています。
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