食品が必ず備えていなければならないのは、安全で栄養素を含み、かつ、おいしいことです。おいしさは、食欲をもたらし、栄養素の摂取をうながすばかりではなく、ヒトに幸福感を与えてくれます。
このように食品に重要なおいしさの構成要素は、舌で感じる味、鼻で感じる香り、口腔全体で感じる食感です。このうち、味と香りは普段よく混同されています。「トマトの味」、「牛肉の味」と思っていたものが、鼻をつまんで食べてみると感じられなくなりませんか?それは本当に「味」ですか?それとも「香り」ですか?
本体験講義・実習では、このような味と香りの不思議な関係をわかりやすい実験で体験してもらい、その内容を解説します。この他、様々な食品の香り物質を嗅いでみる体験や、和牛肉のおいしさの原因を明らかにした私たちの研究紹介などを行います。