獣医保健看護学専攻博士前期課程1年の喜多虹帆さんが、日本動物看護学会第33回大会にて優秀賞を受賞した記事が「獣医保健看護学科ニュース」に掲載されました。
日本動物看護学会は、動物看護学を学問として確立・発展させることを目的として設立され、動物看護師たちの学術活動を支援している団体です。
本学会にて、喜多虹帆さんの研究課題『動物福祉を考えたヘマトクリット管実習における疑似血液の応用』が高い評価を受け、優秀賞を受賞されました。
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受賞のコメント
愛玩動物看護師国家資格のコアカリキュラムでは全血球計算CBCの内容を含む動物臨床検査学実習が必修となっており、ヘマトクリット管を用いた検査は臨床現場で実施されることも多く重要な項目の一つです。
血液検査の実習では通常犬や猫の血液を使用しますが、学生全員が実施するには多量の血液が必要となり動物倫理・福祉上の問題があります。そこで今回、擬似血液を用いてヘマトクリット値の測定、血漿総蛋白の測定、血漿の色調観察の再現を試み、『動物福祉を考えたヘマトクリット管実習における疑似血液の応用』というテーマで日本動物看護学会にて口頭発表を行いました。
私自身、ティーチングアシスタントとして動物臨床検査学実習をはじめとした学部生の実習に参加させていただくことが多くあります。その中で、検査学実習は手技を習得する場であると同時に、それまでの講義で学んできた様々な分野の知識や疾患の特徴、検査所見などの情報を、実践を通して秩序ある繋がりとして捉える貴重な機会でもあると感じています。実際の動物を相手にしていくうえでこのような学びが担う役割の大きさについて、実習参加の経験を通し常々実感しているところであり、動物福祉にも配慮しつつ様々な所見の組み合わせを再現できる本方法により、今後の動物看護分野を担う学生の学びに貢献できましたら幸いに存じます。今後は実習での使用に向け更なる改良と検討を重ねていくほか、動物看護分野の発展に寄与できるよう研究に邁進していく所存です。