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「この一冊」 図書のご紹介

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
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クローズアップ 虫の肖像
世界昆虫大図鑑

クローズアップ 虫の肖像 世界昆虫大図鑑

POTRAITS D’INSECTES
クレール・ヴィルマン/フィリップ・ブランジョ[著] 奥本大三郎[訳]
東洋書林(2008年6月)
2008/10/14更新 200810号
<ドキッ! これは素直にすごい>

まさに人間<顔負け>である。手足、胴体もさることながら、クローズアップされたそれぞれの驚くべき顔は、自然に生きることの容赦ない現実を物語っているようだ。畏怖あふれる見事な接写のオンパレードである。その種100万種、地球全体に生息する生き物の約半分を占め、すべての動物の80%を占めるといわれるこの6本足の虫たちは、地上と淡水のありとあらゆる環境下に棲み得るとあるが、その所以もこの形相からうなずける。<一寸の虫にも五分の魂>どころか、そのはかない生命の身体全部に魂がいき渡っているかのようだ。
5000mの山を越えるトンボ、裁判にかけられたコガネムシ、イソップの「アリとセミ」など、生態や棲息地の民族も詳述されており、まさに<虫の博物誌>である。

<昆虫に関する博物誌ほどの驚くべき真実は、他にはこの世のどこにもない(ルネ・レオミュール)>と冒頭にあり、奥本大三郎氏(訳者):<もっと近づいて、眺めてごらん>、養老孟子氏:<頁を繰るたび魅せられるミクロの世界>、茂木健一郎氏:<小さきものが教えてくれる神秘と驚異>と推薦の弁が並ぶ。

ことさらの説明は無用で、なにはともあれこのど迫力の肖像の数々をご覧ください。掲載されている昆虫目は以下の通りです。

蜻蛉目(トンボの仲間)/ 直翅目(バッタの仲間)/ 網翅目(カマキリ、ゴキブリの仲間)/ 竹節虫目(ナナフシの仲間)/ 半翅目(カメムシの仲間)/ 脈翅目(アミメカゲロウの仲間)/ 鞘翅目(コウチュウの仲間)/ 膜翅目(ハチの仲間)/ 鱗翅目(チョウ、ガの仲間)/ 長翅目(シリアゲムシの仲間)/ 双翅目(ハエ、カの仲間)


図書館 事務室長 松渕 昭夫