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「この一冊」 - 図書の紹介- 200920号 | 「動物への配慮の科学 -アニマルウェルフェアをめざして」
分類番号は480.79
。図書館の窓側の右端。つまりすみっこに配架されているが、見落としてほしくない本ばかりである。ときどきは書架をめぐって、どんな本があるかチェックしてみてね。
動物への配慮の科学 -アニマルウェルフェアをめざして
Michael C. Appleby & Barry O. Hughes ( チクサン出版社 2009年)
2009/11/1更新 200920号
「学生にこそ読んでほしいと訳された、待望の一冊」
たとえば未知の生物を知ろうとするときは、まず「見たい」と思う。
知らない楽器の音色や、生き物の鳴き声を知るときは「聴く」だろう。
が、新しい「概念」を知ろうとするなら…本がもっとも適しているのではないだろうか。
本書の巻頭には「監修をおえて」、そして巻末には「翻訳を終えて」という一文が掲載されている。まずはこれらを読むことだろう。
「アニマルウェルフェア」という概念は、字面からぼんやり想像するよりも、ずっと複雑である。
直訳して「動物の福祉」とした場合、日本では何を思い浮かべるか。監修者のひとりである佐藤衆介氏が高校生に質問したところ、「老犬介護ですか?」「引退した競走馬の世話ですか?」などという答えが返ってきたそうだ。そうではない。
実感するのは「アニマルウェルフェア」が西洋発想の思想だということである。肉食の、遊牧の民が思う動物と、われわれ農耕の民が描く動物は明らかに違う。
よって、ただでさえ翻訳書独特の、やや抽象的なきらいのある本文は、注意深く読む必要がある。読みやすくはない。だが、たとえば「翻訳をおえて」にある“かわいそうな動物を助ける活動を意味するわけではない”“感情論をたたかわせるのではなく、科学と理論に基づいた冷静な議論をすることが大切”という加隈良枝氏の言葉を踏まえて読むと、内容が入ってきやすいのではないだろうか。
それにしてもポイントは、動物は人間の言葉をしゃべれないということだ。彼らの「飢えと渇き」や「疼痛と傷害」「恐怖と苦悩」などは人間が推し量らなければならない。そのためには科学的な立証が必要であり、Ⅱ部「問題点(Problems)」でそれらを分析しているが、その評価は実に難しい。
Ⅲ部「評価(Assessment)」のなかに「選択試験」というのが登場する。ケージごとに環境を変えるなどして、動物自身に選択させ、結果を分析するのだ。しかしそもそも不自然な動きを動物に要求していたり、公平でない条件立てをしていたりと設定がかなりデリケートで、本来意図した調査結果を得るには相当、試行錯誤が必要かと察せられた。
が、たとえ困難だとしても、誰かがやらなければならない。Ⅳ部で物理的・社会的環境、人間の接触方法を調整する「解決策(Solutions)」について、Ⅴ部で経済的・法的手段を考える「実行(Implementation)」について検討。本書は理想論ではなく、あくまで実践書であることがわかる。道は平坦ではない。Ⅰ部「課題(Issues)」で冒頭から読者に考えぬかせる倫理観についての考察が、それを物語っている。人間の利益と動物の利益がぶつかった場合どうするのか、どういった点で「動物の利益」とするのか、悩みは尽きない。
今年の「この一冊」13号で取り上げた『犬の科学』で著者が力説していたように、公平で、誠実な科学的考察なくしては、動物の幸福を量ることはできない。限りなく実践的な本書であるが、たとえ自ら動物と触れ合うチャンスのない場合でも、読後に深く考えさせられるものがある。この分野の出版が続くことが望まれる。
図書館 司書 関口裕子