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「この一冊」 - 図書の紹介- 201016号 | 「幹細胞WARS -幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争」
分類番号は491.11。
置いてけぼりをくいそうになったアメリカが国内で大議論する様もすごかった。論点はズレまくるわ感情的になりきるわ、どこの国も大変だ。そして「胚」がダメなら他で、と、そちらはそちらで発展するのだから、物事なんてわからないものである。
幹細胞WARS -幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争
シンシア・フォックス 著 西川伸一 監訳 (一灯舎 2009年)
2010/11/16更新201016号
読み終わった…長い長い旅をしたような、長い長い映画を観たような。実はシロウトさんに毛が生えたくらいしか医学的知識がない私には、もう想像を絶する内容だった。国際競争? そんな静かなもんじゃありませんよ。天使や悪魔や鬼や妖怪が団子になって争っているありえない超・涅槃絵的な、ごった煮一大ページェントである。
「幹細胞」それは人体では受精後五日で現れ、永続的に複製でき、あらゆる細胞に変化可能で、どんな臓器をも形成できる(らしい)。がんにも、心臓病にも、アルツハイマーにも画期的な治療効果が期待でき、出産可能年齢さえ押し上げ、結果的にニンゲンの寿命をものばしてしまう、魔法のような存在。何でも再生させてしまう「究極の細胞」(だそうだ)。
私の知識は2005年に大々的に報道された、「ヒトES細胞のクローニングは捏造だった!」という科学史上最大のスキャンダル付近に限られていた。だから正直に言えば、読み通すには大変な根気を要した。「成体幹細胞」と「ヒト胚性幹細胞」の違いさえ、最初はアヤフヤだったのだ(!)。専門用語の羅列に気が遠くなること数十回…が、気がつけば、最終章。
内容が、あまりにもすごかったから。
今ならある程度はわかる。なんでまた、ここまでスケールの大きな話になったのか。
ポイントは「胚性幹細胞が、ヒトの受精卵から発生した胚より採取できるもの」であることなのだ。受精卵。それは生命ではないのか。そしてそれを増殖させて云々、というのはクローニングではないか、ヒトのクローンではないのか、ということが問題なのだ。
キリスト教的倫理観が国家を貫くアメリカ・ブッシュ政権は2001年、公的研究費によって新たなヒト胚性幹細胞をつくることを禁じてしまった。「胚を壊す」ことを禁忌として。
あのアメリカが、自ら、幹細胞研究において「どうぞ」と先を譲ってくれたのである。
もし話が「臨床段階」に及んだら。夢の「再生医療」が現実になったら。需要は永遠にある。その結果生まれる「金額」はおそらく天文学的数字になるだろう。
こんな状況下で「胚は生命なのか?」という問いに、アメリカとは違う答えを出した国が続いたのである。例えばイギリスは脳の形成スタート時という考えを採り、受精後十四日目以降とした。宗教によっても違った。コーランは「魂は百二十日後に初めて体に宿る」としている。仏教とヒンズー教は輪廻転生を信じている。
そこから続く、各国の熾烈な研究バトルはものすごい。しかしムリもない。
医学で徹底的にアメリカを出し抜くチャンスなんて、そんな話が今まであったか?!
ヒトの命、医学的名声、巨額の金、政治的駆け引き、宗教的権威、国家の威信、これだけ揃えばもはや展開は「何でもアリ」だ。本書のシーンをつなぎ合わせて「予告編」をつくってしまえ。ピラミッド、地中海、嘆きの壁、ラッフルズホテル、ツンドラ地帯、京都や北京やボストンやソウル…世界中を舞台に、SFのような最新技術、血も凍るような実験をバンバン映す。ニューヨークタイムズのスクープ記事や、サイエンスやネイチャーなどの誌面をカットバックで挟み、合衆国大統領、ローマ法王、クリストファー・リーブ、マンモスやクローン犬スナッピーなどをちらつかせる。もう、トム・クルーズが出ていないのが不思議なくらいだ。
最終章のあと、トドメに監訳の西川伸一氏が、あっと驚く「本書発行後の大発見」に言及するオチは(そしてそのキャストが日本人であることは)、ちょっと出来すぎなくらいである。この科学の行く先がどうなるのか、それが幸福につながるのか、とても判断できないが、ひとつだけは断言できる。
事実は確かに小説よりずっと奇であり、そして、世の中はあまりにも多重的であることだ。ものごとをシンプルに斬るのは時として爽快だが、しかし。
たまにはこれほどフクザツなものに圧倒されるのも一興ではないか。
図書館 司書 関口裕子