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「この一冊」 - 図書の紹介- 201107号 | 「日本一の桜」
分類番号は081。
弘前には正徳5年(1715年)植樹というカスミザクラがあるそうだ。例えば1717年にも宮城県沖でM7.5の地震が起きるなど、東北地方は何度も地震に襲われている。それでも桜は生きてきた。自然の脅威だけでなく生命力と、人の心と力を信じたい。
日本一の桜
丸谷 馨 (講談社現代新書 2041 2010年)
2011/04/18更新201107号
タイトルから桜のご当地案内かと思いきや、本書、なかなかの曲者である。読んでも読んでも、さらにその先に花があるような、独特の奥深さはまさしく桜の如し。
東京の桜はそろそろ見納めだが、日本は広い、細長い。そう、たとえば弘前では、さくらまつりはこれからである。せっかくだから少しでも東北の春が明るくなるよう祈願して、この一冊をご紹介しよう。
かなり以前にテレビで観た『うる星やつら』の映画版冒頭に、樹齢三百年の桜の名木“太郎桜”というのが登場した。名木だが老朽化してしまい切り倒すしかない、今年は見納め、切った後は接木して二代目に期待しよう…というあらましを、本書を読んでふと思い出したのである。名木によくある“伝説”が出てくるのも本書と同じ。そしてその桜のシーンの絢爛たる美しさも本書を彷彿とさせる。
そう、この『日本一の桜』には全国にその名を轟かす桜の名木・名所が次々と登場し、それらにちなんだ歴史(義経や秀吉などスター級のキャスト)、和歌、水上勉などの現代文学が紹介される。桜に相応しく、あでやかで、華やかである。
また、京都や奈良、弘前そして東京といった都市の桜マップを始め、伊達政宗の正室・愛姫の故郷である福島県三春をはじめ、宮城県塩竈、岩手県盛岡(石割桜)など各地のマップも随所に挿まれており、案内書としても使えるだろう。
が、それだけではないのだ。
パラパラめくるとイラストが多いことに気づく。ソメイヨシノの模式図、病気の状態、桜の種類によっての花のつき方、土壌改良の方法など、あれ?と思うくらい具体的である。そしてそれで正解なのだ。日本には古来より多くの桜の品種があり、樹齢何百年といった長命の木も多いので忘れがちだが、桜は実は、とても手のかかる木なのである。その最たる存在がソメイヨシノで、この桜が接木でしか増えず、つまりは「すべてクローン」であるというくだりはなかなか衝撃的だった。どんどん育って豪華に咲くが、ほうっておくと枯れてしまう。いや、ソメイヨシノだけではなく、例えば名所として名高い吉野の山桜も、今は危機にあると言う。それらをめぐっての、これまでの奮闘や現在の活動を、予算や人材も含めてきちんと取り上げるには、桜の生態の説明が欠かせないのだ。実際、地域をあげての活動となっている所もあり、交流拠点となっている例もあった。
こういう部分の記述は具体的で、著名な専門家も実名で登場し、ちょっとしたドキュメント風であるし、ところどころは園芸か植物学の専門書風でもある。
つまり、歴史絵巻的、文学談義的、プロジェクトX的さまざまな要素を「桜」というキーワードでまとめあげたのが本書であり、読み終わると文字通り「花酔い」してしまう。生きた存在としては唯一「絢爛」という言葉を冠して相応しい桜という存在は、たとえ謂れなどないご近所の木でも誇らしげに美しい。そんな桜の「そのいはれとはなけれども」狂おしいような魅力を、講釈する虚しさを知りつつ誠実に書き上げた好著である。カバーをはずすと現れる桜色もいい。
図書館 司書 関口裕子