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シュウカツの友

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文章のみがき方

辰濃和男 (岩波新書 1095 2007年)
2009/10/16更新 028号
エントリーシートはキメておきたい。
さて、ではどう何を書いたらいいか、という本はくさるほど書店に並んでいるのだが、どれがいいかというと悩ましい。それに、書く内容とともに、その文章も重要である。
そこで、当館から文章読本をセレクトしてみた。
本書では、まず作家や詩人が文章について触れた言葉を引用し、それについてのエピソードや著者の感想を書いていく形式をとっている。ひとつの言葉につき、見開き5~6ページ。読みきりやすい。
どれも言っていることがシンプルなので、かえって「やっぱり文章って磨けないのかなぁ」と思いそうになる。文には「こうすれば書ける!」という切り札はないからだ。
でも「こうするといいと思う」というコツはある。本書を読んで、できそうなところからココロにとめ、試しに書いてみるとどうだろう。
「毎日、書く」(よしもとばなな)、「繰り返し読む」(村上春樹)、「辞書を手もとにおく」(井上ひさし)、「削る」(太宰治)…他にも江國香織や三島由紀夫、藤沢周平などが登場する。彼らが文章について何を言っているのか、それを読むだけでも面白い。

が、エントリーシートを書く上で読むと、なかなか複雑なものもある。夏目漱石は「正直に飾りげなく書く」ことだと言い、姫野カオルコは「自慢話は書かない」ことがコツだと言うが、エントリーシートでは自己アピールが必要なのでは?? しかしモロに自慢話になるとどうだろう。その加減が難しい。
文章とは厄介だが不思議なもので、つたなくても響いてくる文は確かにある。マジに取り組んでみよう。就職が自分にとって大切で、今日のシュウカツではエントリーシートが大切なら、真剣に向き合ってみて損はない。