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シュウカツの友

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食品開発の進め方

岩田直樹(幸書房 2002年)
2009/11/05更新 032号
“新製品”は何故必要か、と言われたら、どう答えればいいだろう。
バクゼンとなら、いろいろ思うことはある。話題性、とか、ニーズが変わったから、とか…が、論理的に説明しろ、と言われるとなかなか難しいだろう。
本書は、そこからわかりやすく解き明かしてくれる。
「Ⅰ.人間とたべもの」「Ⅱ.新製品開発は何故必要か」がそれに当たる。食品に求められるもの、新製品開発を促す要因、の説明である。
ここをじっくり読むと、次からがより面白いだろう。「Ⅲ.新製品開発の企画」では戦略の立て方として、企業・市場の分析、新製品のカテゴリー設定、コンセプトのつくり方が語られる。
そして「Ⅳ.新製品の試作と工業化」。プロトタイプづくりからレシピ作成、包装の検討、生産準備などである。
なるほどー。
読んで想像するぶんには、「新製品開発ゲーム」になりそうなほど面白い。が、これは莫大な資金を投じて行われる企業活動で、結果的に「売り上げ」に結びつかなくてはならない。スリル満点、という言葉では軽すぎるだろう。「Ⅴ.食品開発の共通技術1:保存技術」と「Ⅵ.共通技術2:包装技術」ではパーフェクトな安全性を保つことについてもしっかり説明されている。

それでもこういう仕事をしてみたい!と思う方は多いと思うのである。なかなか具体的な内容なので、読んで損はない。