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シュウカツの友

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「博士号」の使い方

incu-be編集部 (リバネス出版 2009年)
2010/03/24更新 037号
科学者という道で、食えるのであろうか?!
そういうシンコクな問題が、博士を目指すうえに暗雲のようにたれこめている。
ポスドク問題とか、そういう単語ばかりが耳に入ってくるだろう。それではいけない。
公平ではない。科学者として、ちゃんと生きていっている人の言葉も聞かなければ!
そう思って本書を開いてみたら、あまりにも「人生、いろいろ」で、まずはびっくりした。
博士、と言っても、多種多様なのである。企業でバリバリやっている人もいる。それどころか、漁業にたずさわっていたり、ワイナリー立ち上げに参加したり、ベンチャー企業(これがおもしろい)をつくってみたり。
それも、皆さん結構、紆余曲折をしている。「こんなのアリなのか」と思いながら、ぐいぐい読んでみてほしい。挫折、仕切りなおし、転換、あって当たり前。これを知ることは大きい。失敗しているのは、自分だけじゃない。そう思えれば、ひとつ階段を上ったようなものだ。

「研究機関で働く」「企業で働く」「それ以外のキャリアを目指す」の三章立て。これを出版した「リバネス」という会社に注目してみるのもテである。理工系の学生15名が立ち上げた“科学を伝える企業”、ホームページを見てみたが、読めば読むほど、興味がわく。生涯、理系で生きてみるのも、悪くない。