はたらく人びと

『学芸員の仕事』に続く一冊。本当に著者欄は「８人の学芸員」となっている。
それぞれの館で、それぞれの業務に携わった際のエピソードや体験談が主だが、地域とのかかわりを重視しているところがポイントだろうか。
近年、どこも財政状況がキビしい。また、「指定管理者制度」を適用されるなど、時代の風潮というものもあり、それらの話題をちゃんと取り入れて、前作とはまた違う一面がわかる一冊になっている。学術的な面だけでなく、管理や運営もまた「学芸員の仕事」なのである。
「地元市民のニーズには合っていないのではないか」と悩みつつ、しかし博物館だからこそ出来る、という価値を見出し挑戦してみると、今度は建物の構造や予算で限界にぶち当たったりして、現場の仕事はどこも大変だ。が、後記には、いろいろ悩みはあっても「現場の学芸員は、元気である」とある。
「個性的な博物館」の職員が集まってつくった「個性的な一冊」である。