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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
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Saying Goodbye(セイン グッバイ)

西山ゆう子 (駒草出版 2006年)
2010/06/18更新 041号
「最愛のペットを看取るとき」の苦しみや葛藤について、著者が出会ってきたさまざまなケースを物語った一冊である。
あとがきにもあるとおり、犬と猫は人間の4倍のスピードで歳をとる。いつかは、看取らなくてはならない。苦しむ愛犬・愛猫を前にして、治療法や安楽死するかしないかなどを「飼い主の方の判断におまかせします」と言われて決断しなければならないのだ。
体験談は多いが、獣医師が医学的見地も踏まえて綴った本は多くない。貴重な一冊であろう。

「泣かせる本」というキャッチフレーズはあまりに安易だと思うのだが、本書を涙なしに読みとおせる人は少ないだろう。ひとりで読むことをおすすめする。ペットについてのみ語った本ではない。ペットについて語るとは、すなわち飼い主である人間を語るということである。飼い主、そして獣医師の目線で描かれる本書の犬猫たちは、どれも、いとしい。