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大学教授という仕事

杉原 厚吉(水曜社 2010年)
2012/09/10更新 058号
著者は、東京大学の大学院で、数理情報学の教授をやっておられた方。現在は明治大学の特任教授だそうだ。だから、主に「理系」の教授のお話である。
いったいどういうルートで東大の教授になるのか、という根本的な疑問から始め、講義・論文執筆・学会活動といったお仕事全般について、読みやすく聞きやすく、語られている。
実は「大学教員免許」というようなモノもなく、いきなり教壇に立つ「大学のセンセイ」。
入試問題をつくったり、他大学の非常勤講師をしたり、本を書いたりテレビに出たり、細かいディテールを読むのはけっこう興味深い。
どんなメールが毎日届くのかとか、どうやって、どんな経費を、どういう予算や資金から支払っているのかとか、披露されるエピソードが的確で、読むうちに「大学教授像」が立体的に立ち上がってくるような構成である。思いつくままに話しているようで、しっかり骨格ができている、さすがは東大のセンセイです。学生や、大学事務部や、教員との付き合いについてもなかなか読ませる。
図書館員としては、本の執筆の企画の持ち込まれ方、持ち込み方について読めたのが楽しかった。そうかー、こうやって本はつくられていくわけなのねー。