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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
乳牛とともに

乳牛とともに [農家になろう:1]

酪農家 三友盛行 (農文協 2012年)
2014/02/12更新 062号
東京ドーム11個分の草地。三友さんはそこで60頭の牛を飼っている。堆肥で育て続けたふかふかの土地は健康な草を育て、その草が牛を育てている。そう、三友牧場の牛たちは「放牧」されているのです! 本書は、三友さん一家の「お仕事」と「暮らしぶり」を生き生きと伝える巧著。
浅草育ちの三友さんが、中標津でバリバリの酪農家になった経緯はもちろん語られているが、「牛飼い」になろうと決めた根拠を何よりも素晴らしい写真たちが伝えてくれる。つやつやと輝き闊歩する牛たち、緑の大地、巨大なロールベール(干し草の固まりです)、そして丸々としたぴかぴかのチーズ! 畑仕事や牧場の整備、冬支度の薪割り、チーズをつくる過程で出るホエーで豚を育てるさま、果ては子牛の誕生場面まで、カメラマン・みやこうせい氏の腕が冴える冴える。 トドメが四季折々の牧場の姿。
開拓酪農家の実習体験で「自分で一日をつくるおもしろさ」を感じ、酪農家を目指したという三友さんは、将来は牛飼いを志す若者の実習牧場を開きたい、と考えておられるとのこと。今も勉強会などを開催している。ここを巣立って、新たに牧場を立ち上げる方もいるそうである。そうだろう。本書はそれを雄弁に語っていて、あまりある。