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ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日

ますみ先生のにゃるほどジャーナル
動物のお医者さんの365日

石井万寿美(青土社 2014年)
2014/11/21更新 076号
そう言い切っているますみ先生、365日忙しそうである。家庭があり、お子さんもいて、しかも開業医。出産三週間でもう働いていたという。そんな先生が、日々感じたことを書き綴った、いわば日記スタイルの本。思いを馳せるテーマはさまざまである。
患畜さんについてのときもあれば、飼い主さんのときもあり、新聞で読んだ三谷幸喜氏の愛猫のこともあり、思い出ばなしのときもあり…でもどれも生き生きして、読み出すと飽きない。
時々泣きそうになる。先生の描き出す動物とのやりとりは、とてもリアルで、あったかくて、身に迫るから。忙しいなかでの子育てに関しても、ため息まじりに話してくれる。かと思えば、患畜や飼い主さんとの爆笑な駆け引きを披露してくれる。
獣医さんという職業を「長く続ける」とはこういうことです、というのを一足先に実感してみたい、知ってみたいという方(特に女性)には最適な一冊ではなかろうか。
登場する患畜さんも、飼い主さんも、先生も、大阪弁。大阪の下町の獣医さんの、仕事と生き物を愛する日記である。いとしい。