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「第3回ニチジュウ シンポジウム2020」を開催しました

 2020年12月4日(金)に、研究部 研究推進委員会主催「第3回ニチジュウ シンポジウム2020」が開催されました。本年度は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で開催が危ぶまれ、また感染者を増やしてはいけないという思いで、例年よりも規模を縮小して会場とWEBの同時配信によるハイブリッド開催という形で実施しました。参加人数は、会場33名、WEB44名、録画のオンデマンド配信に対する視聴30名の合計107名でした。その内訳は、教員54名、PD3名、大学院生4名、学部学生28名、職員16名、その他2名でした。

▲WEBによる同時配信の様子、講演者は氏家准教授

 今年のシンポジウムは、「コロナウイルス研究の話題」と「特色・若手の研究」の2部構成で実施されました。「コロナウイルス研究の話題」というテーマは、シンポジウム開催のためのワーキンググループの中で発案されたものですが、今年、世界中に未曾有の被害をもたらしているコロナウイルスについて少しでも理解を深めるべく、本学が誇るコロナウイルス研究者2人に講演してもらいました。1つめは、氏家誠准教授による「コロナウイルスの分子生物学」で、ウイルスの基礎的な内容から、増殖・複製の各段階における仕組みに至るまでを分かりやすく且つ詳しく解説してもらいました。2つめは田中良和教授による「猫伝染性腹膜炎ウイルス増殖阻害剤の発見と臨床へのトランスレーショナルリサーチ」で、このウイルスに効果のある薬剤の発見とその作用機序について、最先端の未解決の問題も含めて詳しく解説してもらいました。

▲田中教授による講演の様子

 「特色・若手の研究」のコーナーでは、これまでに本学の「特色ある研究プロジェクト」や「若手研究者支援経費」に採択されたことがある先生方にお願いしました。1つめは大塚裕忠講師の「ヒスタミン及びヒスチジン脱炭酸酵素の発現量変化が出生後マウスの髄外造血に与える影響」で、マウスの各臓器における造血因子の発現を解析されていました。2つめは加藤卓也講師の「外来種アライグマの高・低密度条件下における繁殖率および集団構造」で、神奈川県を中心としたフィールドワークによりアライグマ繁殖の長年にわたる調査結果を発表してもらいました。3つめは白石純一講師の「脳原基移植技術を用いた脳と末梢のエネルギー代謝調節機構の解明」で、ニワトリの脳キメラが、その後の生育にどのように影響するのかを遺伝子発現や代謝産物による網羅的解析で明らかにしようとする発表でした。いずれの話題もとても興味深く、聞くだけでこちらも少し賢くなったような気がしてきました。

 終了後のアンケートでは、「コロナウイルスの話題がタイムリーだった」「WEBは参加しやすかった」などの感想が寄せられ、概ね好評でした。次回は通常の規模での開催ができることを切に願うばかりです。

(第3回ニチジュウ シンポジウム2020 実行委員長 有村裕)