令和3年度 学位記授与式(大学院・応用生命科学部) 学長式辞

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令和3年度 学位記授与式(大学院・応用生命科学部) 学長式辞

 本日ここに、皆さんをお迎えし、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした特別な形となりましたが、日本獣医生命科学大学、学位記授与式を挙行できますことは、本学にとって大きな喜びであります。ただ今、大学院課程修了生20名、博士論文審査合格者1名、応用生命科学部卒業生177名の皆さんに、学位記をお渡しいたしました。おめでとうございます。学びへの粘り強い取り組みが、学位記の授与に至ったものであり、皆さんの努力、特に、この2年間の我慢強い取り組みに、敬意を表します。教職員一同、心からお祝いを申し上げます。
 ご家族・保護者の皆様には、この日を心待ちにしてこられたことと存じます。
 皆様の本学へのご支援に、心から感謝するとともに、お慶びを申し上げます。今年度も昨年度に引き続き、感染対策のため、保護者のご列席はご遠慮いただくことになり、インターネットによる中継をご覧いただく形になりましたこと、ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
 そして、学校法人日本医科大学 坂本理事長にいたりましては、ご臨席を賜り、誠に有難うございます。

  新型コロナウイルスの感染状況は、オミクロン株の脅威の中、第6波の ピークアウトも見通しが立たず、本学の学生、そして、教職員にも感染者が出てきており、まだまだ気を緩めることは出来ません。そうした中、願わくは皆さんのご家族の方々やご来賓、教職員と共に、ここに集い、祝うことを楽しみにしておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いつもとは違う形で式を執り行うこと、ご容赦ください。

 さて、皆さんは、どのような人材となって社会に巣立つのでしょうか。大学院獣医生命科学研究科では、教育理念、及び、目的達成のために、獣医学、獣医保健看護学、応用生命科学領域における技術革新、研究水準の向上に対する、社会的要請の高まりに対応できる、優秀な人材を世に輩出して、社会に貢献することを教育上の目的として定めています。動物科学科では、食資源動物の生産管理に関わる基礎、及び応用科学、並びに、動物の生命、共生、及び社会性等に関する教育を行い、人類の福祉、及び地球環境の保全に資するとともに、社会貢献に寄与する専門職を育成することを、食品科学科では、動物性、及び植物性食品の全般にわたり、食品科学新時代に相応しい食品の栄養、品質、安全性、保存、及び加工技術等の理論と技術に関する教育を行い、食料安全保障の向上に資するとともに、未来の食品科学の開発に寄与する専門職を育成することを、教育上の目的として定めています。

 多少難しい内容となっておりますが、私は本学の「到達目標」でもある、「愛と科学」、これに尽きるだろうと考えております。人間「愛」と動物「愛」の豊かな生命科学人材として、大学院は、生命科学全般の領域における、技術革新や研究水準の向上に対応できる人材に、応用生命科学部は、社会貢献に寄与する専門職人材として、卒業する皆さんに学位記を授与いたしました。この学位記に自信と誇りをもって、社会で活躍してください。
 冒頭に皆さんの粘り強さ、そして、我慢強い取り組みに対して敬意を表しました。2年前からの粘り強い、我慢強い取り組みは学問だけではなく、色々な力を身につけ、人間力の向上、すなわち、私が最も重要だと考える「自立力」の向上にも大いに役立ったのではないかと思います。この経験とともに、生命科学の学びを世界に求め、その縕奥(うんおう)を極めた皆さんが、この難局を乗り越える推進役の一人となることを、期待しております。

 結びになりますが、これからの人生におきまして、原点に立ち帰る必要を感じる時があれば、日本獣医生命科学大学を活用してください。協力を惜しみません。皆さんにとって母校となる、日本獣医生命科学大学で学んだことを誇りとし、生命科学人材として、希望に満ちた社会の推進役として活躍することを、心から祈念して、式辞の結びといたします。

 本日は、誠におめでとうございます。

令和4年3月10日
日本獣医生命科学大学 学長

清水一政