令和3年度 学位記授与式(獣医学部) 学長式辞

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令和3年度 学位記授与式(獣医学部) 学長式辞

 本日ここに、皆さんをお迎えし、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした特別な形となりましたが、日本獣医生命科学大学、学位記授与式を挙行できますことは、本学にとって大きな喜びであります。ただ今、獣医学部卒業生181名の皆さんに、学位記をお渡しいたしました。おめでとうございます。学びへの粘り強い取り組みが、学位記の授与に至ったものであり、皆さんの努力、特に、この2年間の我慢強い取り組みに、敬意を表します。教職員一同、心からお祝いを申し上げます。
 ご家族・保護者の皆様には、この日を心待ちにしてこられたことと存じます。
 皆様の本学へのご支援に心から感謝するとともに、お慶びを申し上げます。今年度も昨年度に引き続き、感染対策のため、保護者のご列席はご遠慮いただくことになり、インターネットによる中継をご覧いただく形になりましたこと、ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
 そして、学校法人日本医科大学坂本理事長にいたりましては、ご臨席を賜り、誠に有難うございます。

 新型コロナウイルスの感染状況は、オミクロン株の脅威の中、第6波のピークアウトも見通しが立たず、本学の学生、そして、教職員にも感染者が出てきており、まだまだ気を緩めることは出来ません。そうした中、願わくは皆さんのご家族の方々やご来賓、教職員と共に、ここに集い、祝うことを楽しみにしておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いつもとは違う形で式を執り行うこと、ご容赦ください。

 さて、皆さんはどのような人材となって社会に巣立つのでしょうか。獣医学科では、高度先端獣医療、及び、生命科学領域の進展等の、新たな社会の変化に対応できる、先導的な獣医学の教育・研究を行い、自ら学び、考え、問題を解決する能力を養うことによって、飼育動物診療、動物に関する保健衛生の向上、畜産業の発達、並びに、公衆衛生の向上に寄与する獣医師を育成することを、教育上の目的として定めています。
 また、獣医保健看護学科では、ヒトと動物の福祉と共生に寄与するために、伴侶動物のみならず、産業動物、及び、野生動物の生命を尊重し、獣医保健学、及び獣医看護学に基づいて、進展する高度先端獣医療をはじめとする、諸科学の教育を体系的に行うことにより、関連科学との交流を推進するとともに、その活用と、社会貢献に寄与する獣医療技術者を育成することを、教育上の目的として定めています。

 多少難しい内容となっておりますが、私は本学の「到達目標」でもある「愛と科学」、これに尽きるだろうと考えております。人間「愛」と動物「愛」の豊かな生命科学人材として、高度な先端的獣医療を始めとする、様々な科学を活用し、社会に貢献できる人材として、卒業する皆さんに学位記を授与いたしました。この学位記に自信と誇りをもって、社会で活躍してください。
 冒頭に、皆さんの粘り強さ、そして、我慢強い取り組みに対して、敬意を表しました。2年前からの粘り強い、我慢強い取り組みは学問だけではなく、色々な力を身につけ、人間力の向上、すなわち、私が最も重要だと考える「自立力」の向上にも、大いに役立ったのではないかと思います。この経験とともに、獣医学、及び、獣医保健看護学を世界に求め、その縕奥(うんおう)を極めた皆さんが、この難局を乗り越える、推進役の一人となることを、期待しております。

 結びになりますが、これからの人生におきまして、原点に立ち帰る必要を感じる時があれば、日本獣医生命科学大学を活用してください。協力を惜しみません。皆さんにとって母校となる、日本獣医生命科学大学で学んだことを誇りとし、生命科学人材として、希望に満ちた社会の推進役として活躍することを、心から祈念して、式辞の結びといたします。

 本日は、誠におめでとうございます。

令和4年3月10日
日本獣医生命科学大学 学長

清水一政