令和3年度 入学式(大学院・応用生命科学部) 学長式辞

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

令和3年度 入学式(大学院・応用生命科学部) 学長式辞

 本日、ここに新入生の皆さんをお迎えし、令和3年度入学式を挙行できますことは、本学にとって大きな喜びでございます。大学院獣医生命科学研究科の新入生の皆さん、応用生命科学部動物科学科、食品科学科の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本学教職員一同、心から歓迎いたします。新入生の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という危機を乗り越え、経験のない環境下での入学試験を勝ち抜いたことに、敬意を表します。新入生の皆さん、そして、愛情をもって新入生の皆さんを支えてこられたご家族、関係する方々に、心よりお祝い申しあげます。
 また、学校法人日本医科大学坂本理事長にいたりましては、ご臨席を賜り、誠に有難うございます。本日、めでたく入学された大学院生21名、学部生157名が加わり、新たな門出となります。私たちも皆さんやご家族の方々、そして教職員が一堂に介し、この入学を祝う式典を楽しみにしておりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いつもとは違う、オンラインも活用した形での式典となりましたこと、ご理解賜りますようお願いいたします。

 日本獣医生命科学大学の組織は2学部4学科、1大学院3専攻にて構成されており、明治14年に開学した、伝統ある大学と言えます。学是を「敬譲相和」とし、「謙譲と協調、愛と倫理を育む科学の創成」を目指し、教育理念を「愛と科学の心を有する質の高い獣医師と専門職及び研究者の育成」と定め、今までに約2万人の卒業生を輩出してきました。
 教育理念にある「愛と科学」、この言葉は後ほど流れます「学歌」の第4節にも記されており、本学の基幹となる「大切な言葉」として位置づけております。人間「愛」と動物「愛」の豊かな生命科学人材として、応用生命科学部の新入生は「食資源動物の生産や管理、食品の栄養や品質管理及び安全性等に関する学理の探求と技術の開発をするとともに、人類と動物の福祉に貢献できる人材」を目指してください。大学院の新入生は「獣医学、獣医保健看護学、応用生命科学領域における技術革新、研究水準の向上に対する社会的要請の高まりに対応できる人材」を目指してください。

 そしてもう1つ、皆さんに期待することは「じりつ力」を身につけることです。「じりつ」とは、みずから立つと書く自立力、みずからを律すると書く自律力、ともに大切な力であると考えています。特にコロナ禍において皆さんは様々な我慢を強いられてきたと思います。自ら行動を起こし、自ら学び、時にくじけそうになりながらも、受験という競争に勝ち抜きました。そして部活動をしたい、友達と遊びたい、様々な想いの中で感染しない、させないという想いの中で自らを律して、この日を迎えているだろうと思います。残念ながら、まだまだその我慢強い生活を続けていかねばなりません。本学で生命科学を学ぶ皆さんは、その意義を改めて考え、同世代の規範となる行動を取っていただきたいと強く願います。その先には必ず、愛と科学の心を有する質の高い獣医師、専門職及び研究者として、また「じりつ力」を併せ持った人材として、この大学を卒業することが出来ると考えています。期待しております。

 本学においても、令和2年度は新型コロナウイルスに感染しない、させないために、対面での講義や実習、学外実習や部活動、その他のイベントに大きな制限をかけながらの運営となりました。しかし令和3年度は引き続き、警戒を怠らず、感染対策を徹底しながらではありますが、私が学長に就任以来、事業計画の基本方針に定める「日本獣医生命科学大学に集う全ての力の結集」により、学生同士が、学生と教職員が様々なことにチャレンジできる環境を再構築し、大学生に、大学院生になったと実感できる取組みを進めてまいります。そのためには繰り返しになりますが、生命科学を学ぶ者として同世代の規範となる行動を、教職員とともに求めます。

 結びになりますが、本学での学びと出会い、経験は、人間としての成長をうながしてくれるはずです。くじけそうな時、迷う時があれば遠慮なく、声をかけてください、相談してください。私たち教職員は全力でお手伝いいたします。皆さんにとって実りの多い大学生活となることを祈念して、私からのお祝いと歓迎の挨拶とさせていただきます。

 皆さん、入学、誠におめでとうございます。

令和3年4月2日
日本獣医生命科学大学 学長

清水一政