獣医学科　5年次　菅井理沙さん
2024年8月5日〜2024年8月16日の2週間で、台湾の国立中興大学で行われた臨床研修に参加しました。
私はこの実習が少人数であることと、エキゾチックアニマルの診療を見ることができるということに魅力を感じて応募しました。あと純粋に台湾に行ってみたかった、という理由もあります。
参加者は日獣からは4名、ほか東京大学から2名、山口大学から2名、麻布大学から1名、日本大学2名のから全部で11名でした。
2週間のスケジュールは、月曜日から水曜日が中興大学附属の動物病院での実習、木曜日と金曜日が大学での講義や実習でした。実習後と土日は自由に過ごすことができました。

【実習編】
今回の実習で特に印象に残ったものを紹介したいと思います。

○Radiology
実際の症例のレントゲンを見せていただき、読影して英語で所見と鑑別診断を伝えるという実習でした。レントゲンを読むことはできても、英語での所見の述べ方も初めは全くわからず、さらに専門用語の壁にぶち当たりました。しかし、用語もやっていくうちに覚えていき、最後の方はかろうじて形にすることができました。英語の重要性を最も感じた実習でした。

○Exotic pets
日本の大学ではなかなか見かけないエキゾチックアニマル専門の診療科の診察を見せていただきました。診察は中国語で行われますが、先生が日本語を話せる方だったのでわかりやすく説明してくださいました。ヨウムやミシシッピーアカミミガメ、ウサギなどの動物が来院していました。また、大学の実習ではカメとハトから採血を行い、塗抹標本を作製し、観察しました。また、寄生虫が寄生している血液塗抹標本も見せていただきました。
他の実習では魚の採血や、PCR法など、臨床に限らず多岐にわたる内容を扱いました。

【日常生活編】
実習中は中興大学の女子寮に滞在しました。4人部屋だったので、チーム日獣で一部屋でした。全員同じ学年にもかかわらず、低学年をコロナ禍で過ごしたためほとんど話したことのなかった私たちですが、共同生活をしていくうちに次第に笑いの絶えない部屋になっていきました。ちなみに卒業式は4人で写真を撮る約束をしています。

台湾の移動手段といえばバスです。病院実習もバスで向かいました。台湾のバスはせっかちで、手をあげないと止まってくれません。そしてバスの種類が多すぎて初見には難しかったです。観光に行く時は諦めてタクシーを使うこともありました。
台中はとても治安が良く、夜に1人でふらっとコンビニに出かけることも可能でした。日中はとても蒸し暑かったので、夜中は涼しく感じました。
街中にはタピオカ屋さんが乱立しており、果たして需要と供給が一致しているのか不安になるほどでしたが、結局私たちも毎日のようにタピオカを飲んでいました。

【オフ編】
平日の夜は実習が終わってから夜市に出向いたり、周囲のご飯屋さんを開拓したりしました。初めの週には他大学も含め引率の先生方や中興大学の先生方も含めた歓迎会を開いてくださり、そこでは台湾料理を楽しみました。国は違えどアジアということで、どのお料理も何となく親しみを感じる味でした。2次会は先生の研究室で行いましたが、そこで出していただいた、高梁という台湾のお酒はなんと57度。チャレンジしてみましたが、食道が焼けているのではないかと感じるほど強烈でした。

夜市のおすすめは間違いなくフルーツです。日本には持ち帰れないので台湾に行く人は思う存分食べることをおすすめします。臭豆腐はかなり離れていても独特のにおいがして、私たちはあまり得意ではありませんでした。魯肉飯、担仔麵、芋圓などほかの台湾グルメは基本的に全部好きな味でした。
台中では宮原眼科という有名なアイスクリーム屋さんがあり、実習後に行ったのですが調子に乗って1人3つずつアイスを頼んだらインスタ映えはしましたがかなり量が多かったです。※もちろん食べきりました。

また、九九峰動物楽園という台中の鳥類メインの動物園に行ったのですが、手から餌をあげることや、肩や頭に鳥を乗せることができて鳥が好きな私は大歓喜でした。個人的かなりおすすめスポットです。

週末には新幹線で台南へ出向き、1泊しました。サバヒー粥という台南グルメを食べました。揚げパンが乗っていて、噛むとじゅわっとしてとても美味しかったです。他には美術館、孔子廟、縁結びの寺院などに行きました。少し早いですが国試合格のお願いもしてきました。

このように2週間、台湾での生活を楽しみつくすことができました。また、英語で講義を聞いたり、獣医学的な内容について先生と話したりするといった日本の大学ではあまりできない経験をさせていただき、とても貴重な経験となりました。今回ご尽力いただいた本学の先生方、職員の方、国立中興大学の先生方および学生の方々に多大なる感謝を申し上げるとともに、この経験を今後の獣医師としての人生に活かしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました！台湾の魅力は文章と写真だけでは伝えきれないのでぜひ、実際に台湾に足を運んでみてください！