受賞についてのコメント
近年、高齢犬に対する愛玩動物看護師の関わりについて、重要性が増してきています。また高齢犬に対する介護・ケア用品や補助具といった製品も多く販売されるようになってきました。その中でも以前から使われている犬用カート(車椅子)については、後足の働きを補助する二輪のものと、後足だけでなく前足の補助もできる四輪のものがあります。どちらも神経の病気など、犬自身がうまく足を動かせない場合に使うことが多いです。今回、リハビリテーションの観点から、運動機能を改善させるための一環として、神経の病気以外にも活用できるのではないかと考えました。そこで、まずは犬用カートの高さを変えることで、前足と後足への体重のかかり具合に違いがあるかどうか検証しました。その結果、後輪の高さを変えることで、前足への負担は大きく増やさずに、後足への体重のかかり具合を軽減可能であることが示唆されました。この成果は関節に痛みがあることで歩行時に苦痛を伴う犬に対して犬用カートが有用である可能性を示します。この取り組みはまだ予備調査の段階であり、より多くの犬たちが幸せに長く暮らせるように今後さらなる研究を進めていきます。
なお、所属します臨床検査学研究分野では日本動物看護学会第32回大会(安木さん、奨励賞)、第33回大会(喜多さん、優秀賞)と3年連続で受賞することができました。これからも愛玩動物看護師が主役となり、動物看護の更なる発展に寄与できるように活動していきます。
▲会場入り口前で受賞者とともに(左:宮田准教授、右:河合さん)