食のいま
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第54号: 電子レンジはどのように食品を温めるのか(その2)

熱と温度

 熱い物と冷たい物とでは何が違うのでしょうか。同じ物質ならば、熱い方の分子は冷たい方の分子と比較すると、熱い方の分子は激しく運動しています。つまり、分子の運動が激しい物の温度は高く、比較的穏やかな物の温度は低いのです。この温度の高い(熱い)物と温度の低い物(冷たい)物をくっつけると、温度の高い方から低い方へ熱が流れ、熱い物の温度は下がり冷たい物の温度は上がり、いずれ同じ温度になります。物質中の激しい運動の分子と穏やかな運動の分子とがぶつかり合い、温度の高い物の分子の運動は穏やかになり、温度の低い物の分子の運動は激しくなり、両方共に平均的に同じ程度の運動の分子になるからです。これは熱い物を火、冷たい物を食べ物と考えれば、食品の加熱となるわけです。物を熱くする(温度を上げる)こととは、物の分子の運動を激しくさせることなのです。

空間と電磁波

 電磁波は、その周波数(1秒間当たり振動数)の違いにより、周波数が低い方から電波、赤外線、光、紫外線、x線などと呼ばれます。周波数が高い方がエネルギーが大きく、紫外線は水素原子から電子を分離させてしまう、つまり水素をイオン化してしまいます。生体には多くの水素原子が含まれるので、周波数の高い紫外線、 x線、γ線などの電磁波は非常に危険で、皮膚がんや白内障の原因となるようです。ですから、紫外線を避けるための日傘やサングラスはファッションではなく、人の健康を守るために必要なことです。

 電磁波は空間のプラスとマイナスの方向を変化させる性質があります。電磁波の周波数とは、1秒間当たりのこの空間の+-の変化の回数です。1秒の間に、空間の+-の方向を-+と反転させ、また+-と戻して1回で、これを1Hzと言います。10Hzなら十(10)回、1kHzなら千(103)回、1MHzなら100万(106)回、1GHzなら10億(109)回も空間の+-の方向を変化させます。

「図解入門 よくわかる物理化学の基本と仕組み」,潮 秀樹,秀和システム

「図解入門 よくわかる物理化学の基本と仕組み」,潮 秀樹,秀和システム

参考文献

「図解「物理」は図で考えると面白い 」,瀧澤 美奈子 ,青春出版社.
「医歯薬系の物理学―からだと生命の基礎原理」 ,林 一,丸善.
「医歯系の物理学 」,赤野 松太郎,東京教学社.
「図解入門 よくわかる物理化学の基本と仕組み」,潮 秀樹,秀和システム