ベジタリアンやビーガンなどの単語は読んだり聞いたりしたことがあり、肉を食べない・食べられない方々のことだろうと思っている人が多いと思います。「肉を食べない」という態度がベジタリアンの中核となっていますが、以下のTable 1のように様々なレベルのベジタリアンがあります。下の段へ行くほど菜食主義・植物性食品の食生活の度合いが高くなります。
Table 1. different levels of vegetarians
ビーガン(完全菜食主義者)は、動物由来の食品を全く食べません。肉類・魚介類・卵・牛乳やチーズなどの乳製品、ハチミツのような動物による副産物も食べません。肉類・魚介類・卵は食べないが、乳製品は食べるベジタリアン、肉類・魚介類・乳製品は食べないが、卵は食べるベジタリアン、肉類・魚介類は食べないが、卵・乳製品は食べるベジタリアン、肉類は食べないベジタリアン、鶏肉以外の肉類は食べないような制限の緩いベジタリアンもいます。他に、動植物を殺さずにとれる果物やナッツのみを食べるfruitarian、普段は菜食主義だが、ときには肉類を食べるflexitarianもいます。
どのベジタリアンの方々も食べられそうなものはFigure 1.のような料理でしょう。
Figure 1. Tofu Salad with Tomatoes and Mizuna Greens
上述のようなベジタリアンになる理由は様々です。例えば、宗教的な理由(あるヒンズー教の宗派では肉類を一切食べることが許されない)、環境上の理由(大規模な動物の飼育は地球温暖化、土壌や水質汚染、大量の水や穀物の使用などに影響を与える)、経済上の理由(肉は高価で食べられない)、動物の飼育方法やと殺方法にみられる動物虐待(animal cruelty)や動物福祉(animal welfare)の問題、健康上の理由などがあります。
食事を共にし、楽しい時間を過ごすことは、人生の喜びの1つです。宗教や信条、かなり踏み込んだ個人的な内容を質問することは避け、Is there anything you cannot eat?(何か食べれないのはないですか?)などの質問で相手を思いやり、旅先のレストランでは
Do you have any vegetarian dishes?(ベジタリアン料理はありますか?)
やI am allergic to nuts. Can I have this salad without nuts?(ナッツのアレルギーがあるんです。このサラダをナッツ抜きでください)などで自分の希望を伝えてみましょう。
■ 参考文献