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World Championship Cheese contest 2024 に参加して

准教授 三浦孝之

 令和6年3月、ウィスコンシン州のマディソンでチーズコンテストWorld Championship Cheese Contest(以下WCCC)が開催されました。
 参加国は25国、出品総数はチーズ部門3036作品。これらの製品を世界中の審査員(今年は53人)が3日間かけて審査する大規模なコンテストです。
 今回、幸運なことに日本代表としてWCCC に審査員として参加することが出来たので、その報告をさせて頂きます。

 ウィスコンシン州はアメリカ中西部に位置しており、広大な土地を生かした農業や酪農が盛んな地域です。特にウィスコンシンのチーズはアメリカの食糧経済を支える重要な物資とされています。
 そのため、このコンテストは様々な業種(生産者、サービス、商社、研究者等)やテレビ、SNSなどのメディアが関わって全体で酪農産業盛り上げる工夫がなされており、日本のチーズコンテストに関わる私としてはとても良い衝撃を受けました。

 さて、チーズの審査方法ですが、視覚的な審査の他に「フレーバー」、「ボディ」、「テクスチャー」、「塩分」、「色」、「仕上がり」、「パッケージング」を評価します。
 各国を代表するチーズが集結しているので、非常に僅差ですが、予備審査、二次審査、最終審査を経て最優秀賞が選ばれます。
 今年はスイスのチーズが最優秀賞になりましたが、日本のチーズも大健闘しており、北海道のチーズが世界ベスト20位に(歴代最高)入りました。意外と知られておりませんが、実は日本のチーズの製造技術は非常に高く、その他の各部門でも数々の部門賞を獲得していました。
 最後に大学教員として興味深かったのはチーズ産業に関わる若手が多かったことです。コンテストでも大学生が審査体験に参加したり、ボランティアチームとして働いていました。同じ大学職員に話を聞いたところ、この州では大学を卒業し乳製品産業へ進むコースはエリートであり、誇り高い仕事だそうです。
 同じ畜産食品分野の教員として羨ましい限りですが、今回の経験を活かして、少しでも日本の乳製品産業に関わろうとしている学生にその魅力を伝えることが出来ればと考えています。

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