獣医療では炎症性疾患や免疫介在性疾患に対するステロイド薬への依存度が大きいため、ステロイド薬の反応性や継続使用の可否が治療効果に大きく影響します。そのため、ステロイドの治療効果が乏しい症例では難治性へと進行する危険性が非常に高くなります。幹細胞のひとつである間葉系幹細胞は、多種多様な分泌因子を介して抗炎症作用や免疫調節作用を発揮することから、このような難治性疾患に対する新たな治療ソースとして期待されています。本研究分野では、間葉系幹細胞の機能解析から治療効果の検証に至る包括的な研究を通じて適用疾患の拡充を図り、安定的かつ実用的な幹細胞治療の導入を目指します。