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法獣医学研究分野

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

法獣医学研究分野

メインテーマ:動物虐待に対する法獣医学的技術の探求

 2020年の動物の愛護及び管理に関する法律の改正により、獣医師の動物虐待に対する通報が義務化された動物虐待の罰則も強化され、警察での摘発件数も年々増加傾向となり、動物虐待に対する関心も高まっています。一方で、動物虐待への対応に関する科学的知見や研究については我が国においてはまだ報告事例も少なく、動物虐待に関する国内の実態調査も少ないのが実態です。動物虐待を通報するべき獣医師が、動物虐待を見過ごすことなく対応できるようになるには、動物虐待の根拠となる科学的知見が必要です。本研究では、警察および行政から相談を受けた動物虐待が疑われる事例を集積し、動物虐待の類型(非偶発的外傷、ネグレクト、多頭飼育崩壊、性虐待、中毒等)を調査し、国内における動物虐待の発生状況を検証したいと考えています。また、これらの事例について、解剖検査、毒性検査、血液型検査等を含むDNA検査を通して、動物虐待を実証するための法獣医学的技術を探求し、動物虐待の評価項目を抽出するとともに、動物虐待の診断基準の一助とすることを目的とします。

●研究者情報

田中先生

特任教授 田中 亜紀(獣医学部獣医学科)

 法獣医学研究分野では、虐待が疑われる動物の不審死体の解剖検査、動物取扱業等の現場視察など、地域の様々な動物問題に着目し、動物福祉の向上に関わる研究を行っています。