食のいま
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第32号:「 小説の中の食Ⅴ(水戸納豆をめぐる雑記)全3回 2/3」

恩田陸という作家をご存じでしょうか。私も3年位前までは本屋で平積みになっているホラー作家の本があるな、くらいにしか見ていませんでした。ある時、新聞の茨城版で私の卒業した高校の行事である「歩く会」をテーマにした小説「夜のピクニック(新潮社)」が映画化されるので、そのロケが高校で行われるという記事を見ました。そして、その作家が同高校の卒業生であると書いてありました(ということは、私の後輩になる)。そこで、これは是非読まなければならないと思い、その後すぐに国際学会が新潟市で開かれたので、新潟市の本屋で探して(単行本)読んでみました。
読んでいて、これは小説ですから本当の歩く会の雰囲気とは大分違うなとは思いましたが、時代が変わると少しはこのような雰囲気になるのかなとも思いました。この作家のエッセイをまとめた「小説以外(新潮社)」という単行本の中で、著者は高校時代の通学路で朝の通学時に、納豆製造所の前を通ると豆を煮ているにおいがすると書いていました。今では工場化が進んで排気にも工夫がなされているせいか、以前ほどにおいは強く感じられないように思います。