図書館MENU

みみよりInfo

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

あなたも英語でホンが読める! -英語リーダー本のオススメ-④:怪談-

2010/08/25 更新
古典ホラーの翻訳モノの場合、大御所のラヴクラフトなどを除き、なかなか書店では探せないものも多い。複数の著者から集めた短編集など、すぐ絶版や品切になってしまう。いっそリーダー本で、どっしりと空恐ろしい怪奇小説をマンキツしよう。
当館検索端末で、[怪奇][幽霊][怪談][恐怖]などと入力するとズラリと並ぶ恐怖の小説集。
オススメの作家は、ズバリ、M・R・ジェイムズ(M.R.James)。
イギリス怪奇小説の巨匠、ホラー界のコナン・ドイル、読めばわかるその<恐怖の品格>。創元推理文庫に全集があるが、探すなら図書館かアマゾンにあたるのが無難である。
さて、当館にはレベル2から4まで、M・R・ジェイムズ短編集が5種類もあるのだ。
しっかり読むならレベル4の“The Unquiet Grave”(Oxford)。「銅版画(The Picture)」「人を呪わば(Casting the Runes)」などの5編収録で、本の裏表紙の内容紹介はこんな感じ。
 …この5編の短編は、昼間読むこと…あなたの部屋のドアに鍵がちゃんとかかっているか、よく確かめてから。

image
The Unquiet Grave
そして同じくOxfordから、いろいろな著者の逸品を集めた短編集を、2冊。
“A Pair of Ghostly Hands”(レベル4)は珠玉の短編集である。
表紙はピンクの服の少女の、白い柔らかな手。このタイトル作「一対の手」(アーサー・キラー・クーチ著)は、やさしく、静かな恐怖を描いた傑作だ。そして戦慄の「蝋人形(The Waxwork)」(A・M・バレイジ)! 怖がりの人は眠れない日に読まないほうがいい。
“Ghost Stories”(レベル5)も傑作揃い。Smeeというゲームを描いた「暗闇のかくれんぼ(Smee)」(A・M・バレイジ)、「幽霊馬車(The Ghost Coach)」(アメリア・B・エドワーズ)など、Oxfordのリーダー本は文章になんだか格調がある。正しい恐怖小説らしくていい。

他にも、あのディケンズが書いた怪談2編を載せた” The Signalman and The Ghost at the Trial”(レベル2)、動物が登場する怪談ばかりのSaki恐怖小説集”Tooth and Claw”(レベル3)、幽霊の短編を集めた” The Man with Two Shadows and Other Ghost Stories”(レベル3)など多数ある。ホラーを英語で読む独特の楽しさをぜひ味わっていただきたい。

なお、翻訳モノは訳者によって邦題が違ったり、原題が複数あったりするのが要注意である。でも、当館の所蔵データではできるかぎり各種集めてあるので、知っている小説や気になる作家のリーダー本も、書名(原題・邦題)や著者名でぜひ探してみてね。

image
A Pair of Ghostly Hands

image
Ghost Stories

関連ページ
・あなたも英語でホンが読める!-英語リーダー本のオススメ-①
・あなたも英語でホンが読める!-英語リーダー本のオススメ-②
・あなたも英語でホンが読める!-英語リーダー本のオススメ-③