今月の学生実習教員からのレポート

薬物の反応を多角的に観察・考察し、作用機序に関する基礎知識および生体反応を総合的に理解する力を身につけます。

本実習では、「薬が体の中でどのように働くのか」を実際の実験を通して学びます。 **in vitro(試験管内実験)**では、温度やpH(酸性・アルカリ性)などの環境を一定に保ちながら、薬が摘出血管、心筋、気管あるいは腸管にどのような影響を与えるのかを観察します。薬の働きをひとつひとつ確かめることで、その仕組みを科学的に理解します。

獣医総合実習(臨床)Ⅰ・Ⅱの集大成として、参加型臨床実習を通じて臨床診療能力を実践的に修得しました。

参加型臨床実習を通して、飼い主とのコミュニケーションの取り方やインフォームド・コンセント、医療安全の確保などについて学び、その総まとめとして担当症例の発表を行いました。小動物臨床を選択した学生は、付属動物医療センターの各専門診療科のうち1診療科で8日間以上、産業動物臨床を選択した学生は学外の産業動物診療施設で連続5日間の実習を行いました。

細菌およびウイルス、それぞれの特性を理解する力を身につけます。

「獣医微生物学実習Ⅱ」では、「獣医微生物学実習Ⅰ」で修得した無菌操作、病原体の基本的な取り扱いを踏まえ、獣医感染症分野で重要な細菌およびウイルスを実際に取扱い、それらの特性を理解します。さらに、それら感染症の診断法を性状検査や免疫学的手法を用いて修得します。

顕微鏡を用いて病理組織を観察し、病気の成り立ちや病態を理解する

獣医病理学実習Ⅰでは、講義で学んだ炎症、循環障害、変性・壊死などの基本的な病変を、実際の病理組織標本を顕微鏡で観察し、スケッチを通して理解を深めます。病理学は、病気がどのように起こり、なぜその症状が現れるのかを「目で見て考える」学問であり、将来あらゆる分野の獣医師に必要となる基礎力を養います。本実習では、事前にオンデマンド教材やバーチャルスライドを公開し、自宅でも予習・復習ができる環境を整えています。実習中は教員、実習嘱託、大学院生がサポートし、一人ひとりが理解を深めながら学べる体制となっています。

外科的治療法を実施する上で必要な診断法および治療法に関する基本的手技を、非生体材料、模型などで身につける。

本実習は小動物獣医療で外科的治療に必要な基本的な手技を学びます。食用動物由来の臓器や模型などを主に用いて、臨床に近い状況を再現するための工夫を行い、実践的な理解を深めています。さらに我々は各教員の得意分野を活かし、実臨床に即した実習プログラムを行っています。

食品の安全を支える検査技術を学び、獣医師として公衆衛生に貢献する力を身につけます。

食品の衛生状態に関する各種試験・検査を実際に行うことで、食品衛生管理に必要な基礎的知識と実践的な検査技術の習得を目標とした実習です。食中毒の原因となる細菌や衛生指標細菌を対象とする試験・検査法の考え方を理解し、検体の取扱い、培地の作製、培養、判定など、実際の検査で必要となる一連の基本操作を通して、結果を科学的に解釈する力を養います。また、乳や肉などの動物性食品の安全性を確保するための法的基盤や衛生管理の仕組みを理解し、獣医師が食品衛生監視や公衆衛生行政の現場で果たす役割について学習します。

動物衛生の現場で実際に行う技術と理論について実践しました。

本実習は3つある動物衛生学実習のうちの1つで、座学の講義では伝えきれない動物衛生現場の技術を実践で学ぶことを目的としています。課題に臨むにあたり、班のチームワークと情報共有が必須であり細かく精密な作業を伴うため、これまでの実習経験のまとめとしても有用です。また、家畜疾病発生現場で着用する防護衣の着脱方法についても実習しました。

イヌおよびネコにおける麻酔管理の基本手技と麻酔プロトコルの立案を学ぶ。

本実習では、小動物臨床で実施される全身麻酔に関する基礎から応用までを学びます。臨床現場で実際に使用される麻酔器、人工呼吸器、各種モニタを実習班ごとに配置し、現場に即した環境で実習を行います。動物を使用しない中でも臨床に近い状況を再現するための工夫を行い、実践的な理解を深めます。最終日には架空症例を用いて麻酔プロトコルを班ごとに作成し、プレゼンテーションを通じてこれまでの講義内容と実習内容を統合的に学習します。

富士アニマルファームを見学し親睦を深めました。

本実習は大学付属牧場である富士アニマルファームで学年を前後半に分け各1泊2日で行われました。入学後約2か月で、まだ交流の少ない学生どうしが牧場でウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギなどの産業動物の特性を学び、獣医師としての心構えについて話し合いました。

日常の診察を行う上で必要な血液検査、血液化学検査、細胞診検査を総合的に理解し、適切な解釈ができるようにする。

犬および猫の血液塗抹標本ならびに細胞診標本を用いた顕微鏡観察を通じて、臨床病理学的検査の基礎的な診断能力を養う。血液塗抹標本では、赤血球、白血球および血小板の形態学的特徴を観察し、細胞数の変化や形態異常から病態を推測する能力を身につける。また、細胞診標本では、炎症性病変および腫瘍性病変に出現する細胞の特徴を理解し、細胞学的診断の基本的な考え方を学ぶ。実習では、様々な症例の標本を観察し、得られた細胞学的・血液学的所見をもとに病態や疾患を考察する症例検討を行う。これにより、顕微鏡所見を単に認識するだけでなく、臨床情報と統合して解釈する能力を養い、獣医臨床における臨床病理学検査の意義と活用法について理解を深める。