動物科学科の実習の紹介

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動物科学科の実習の紹介

 このコーナーでは、動物科学科で実施されている代表的な実習についてご紹介します。動物のプロフェッショナルになるためには、座学による頭の中の理解だけでなく、実際に手を動かして自分で実験する、検査する、証明するなどといった行為がしばしば必要になります。そこで動物科学科の実習では、色んな現場で使用されている、さまざまな実践的な手法について修得してもらうような内容になっています。

■動物生体機構学実習

動物生産化学教室 太田能之 教授、実験動物学教室 倉岡睦季 助教

 動物生体機構学実習は、動物の『からだ』をマクロからミクロまで観察し、理解することを目的に取り組む解剖学の実習です。貴重な標本や模型を前にして、これまで講義や教科書などで出て来た骨や臓器が、実際はどの様に出来ているのか、どうやって他の臓器とつながり関連しているのか、知識が具体化される機会となります。顕微鏡をのぞく実習では、細胞の基礎的な構造から臓器特有の配列、動物種の違いなどを観察することが出来ます。小動物から大動物、ニワトリといった様々な動物種を対象にして、専門性を深めるための基盤となることを目標にしています。

■動物生化学実習

動物生産化学教室 太田能之 教授、白石純一 講師

 動物生産化学教室が担当する動物生化学実習では、ゲノムから遺伝子発現、タンパク質と続く生命反応のうち、タンパク質レベルでの実習を担当しています。動物の栄養源として重要なグルコースの生体内における変化(代謝)を題材として、グルコース代謝に必須である酵素(タンパク質)の取り扱いと活性の測定(カイネティクス法)、血液中グルコース濃度の定量(比色法)や生体内に含まれるタンパク質の分離(クロマトグラフィーおよび電気泳動法)について実習し、生体内のグルコース代謝や動物種特異的な代謝調節機構について理解することを目標としています。

■飼養学実習

動物栄養学教室 柴田昌宏 教授

 みなさんは、牛肉と言えば、どういった栄養素が摂取できる食材だと考えますか。それは、タンパク質でしょうか、脂質でしょうか、あるいは…。この実習では、牛肉の栄養成分の分析を行いますので、本学へ入学されましたら、実習に参加し、みなさんの手で確かめてください。この実習で分析対象とする牛肉は、通常の肥育が行われたものから、例えば、放牧肥育されたものなど、多様な牛肉を扱います。これらを班ごとに分かれて、異なる牛肉の分析を行い、最終日には、分析した牛肉の肥育条件を明らかにし、飼養環境と牛肉の成分の違いについて考察します。この実習は、3年次の前期に実施しますが、2年次に学修した動物栄養学、飼養学などの座学で得た知識について、実習を通して再確認し、その理解を一層深めることも目的としています。実習の参加者からは、毎回、「分析した牛肉を食べてみたい!」との声が寄せられますが、残念ながら実習ではその機会がありません。別の機会に試食ができればと考えています。

■分子生理学実習

動物生理制御学教室 中尾暢宏 准教授、渡辺雄貴 助教

 私たちの食卓に欠かせない「卵」は、どのようにしてニワトリの体の中で作られるようになるのでしょうか。この実習では、ピヨピヨと鳴いていたヒヨコ時代から卵を産めるようになるまでの産卵器官の発育過程について「ホルモンと遺伝子」に着目して学んでいく実習です。具体的には、ニワトリの産卵機能における雌性ホルモン(エストロゲン)の役割について、生理学的や生化学的、分子生物学的な手法を用いて明らかにしていきます。この実習を通して、受講学生には動物や遺伝子の取り扱い方、血液中の微量物質の測定方法やPCR法などの代表的な実験手技・手法を体得してもらいます。さらに、ダイナミックなエストロゲン作用について五感を使って学んでもらいます。実習の対象学年は、翌年に卒業論文を控える3年生です。この実習を通して学んだことを、ぜひ卒業論文研究、さらには社会生活で役立てていただきたいと思っています。




■実験動物学実習

実験動物学教室 藤平篤志 教授、倉岡睦季 助教

 最初はマウス(ハツカネズミ)のシミュレーター(模型)を用いてマウスの特徴を学び、その後、本物のマウスの取り扱いを学びます。最初は怖がってマウスに触れられなかった学生も実習の後半には丁寧かつしっかりとした保定が出来るようになります。動物への苦痛度が低い内容を中心に実習を構成しており、「行動観察」、「麻酔の効果」および「麻酔下での唾液採取と血液の代わりとしての唾液サンプル」についても学習します。実験動物技術者試験(1級)の受験を希望する場合は履修が必要となる実習です。

▲マウスのシミュレーター(模型)

■動物防疫学実習

動物生体防御学教室 有村裕 教授、小柳円 准教授

 3年次後期に開講される実習です。目には見えない微生物の扱い方、培養方法、さらに各種検査方法を学び、それらの原理について理解する実習です。
微生物の取り扱いには無菌操作が欠かせません。実習は無菌操作の練習と細菌培養のための培地作成から始まります。実習の内容としては、液体に含まれる細菌数の算出方法、細菌の生化学的な特徴を利用した菌の同定法や抗生物質に対する耐性試験の方法を学び、さらに、薬剤耐性の遺伝子が別の細菌に移行していく過程を学びます。このように微生物の性状をよく理解することで感染を制御する方法を身につけます。




■動物育種学実習

動物遺伝育種学教室 古田洋樹 教授、石原慎矢 講師

 動物育種学実習では動物育種学や統計学を基本として遺伝的改良を行うための形質調査、遺伝子解析技術やバイオインフォマティクス技術の習得を目指します。
形質について、ニワトリの赤玉卵と白玉卵を使用して卵質検査やタンパク質測定を行います。赤玉卵と白玉卵についてそれぞれ卵黄や卵白の重さ、卵の鮮度の指標であるハウユニットを調べます。また、卵黄や卵白のたんぱく質量についてBradford法により測定します。得られた形質データについてRという統計解析ソフトを用いて、様々な視点から考察を行い、解析技術を習得します。下の図は代表的な統計解析法である主成分分析によって赤玉卵と白玉卵の新鮮卵と古い卵で分布を調べたものです。遺伝子解析として、ニワトリには肉用、卵用と用途が異なりますが、特定の遺伝子領域を増幅するPCR法や特定の遺伝子配列を切断し、変異を同定するPCR-RFLP法を用いてこれらを区別する方法を学習します。このように、形質・遺伝子のデータのような生物が持つ情報を総合的に解析するバイオインフォマティクス技術を学びます。

■家畜人工授精師資格の実習

動物生殖学教室 牛島仁 教授、岡田幸之助 准教授

 安全で美味しい国産牛を安定供給するため、年間10万頭を超える和牛が受精卵移植技術を利用して生産されようとしています。この受精卵移植技術は、ホルモン処理・採卵・胚の処理・移植の全ての工程が出来る獣医師が普及してきましたが、畜産業界では深刻な獣医師不足が起こっています。そこで、採取した卵子や受精卵の処理などの高度な作業ができる人工授精師の配備が求められています。獣医師と授精師の連携体制が整うと、生産した子牛の流通体制の強化にも繋がります。
 本学では受精卵の操作と体外受精技術の技能を兼ね備えた人工授精師を要請しています。人工授精に直接関係する科目である「動物繁殖学・実習」、「動物生殖機能学」ならびに「動物発生工学」と、牛の飼育管理・育種に関わる科目、「動物生体機構学・実習」ならびに「動物飼育管理実習」などの関連科目を修得した希望者が、4年の夏休みに講習会に参加します(写真)。最終試験は付属牧場で行われ、顕微鏡下の作業、受精卵の処理ならびに生体への注入などの技能を習得した受講生には、卒業式に修了証が授与されます。この講習会をきっかけに、高校まで農業に接する機会がなかった学生が生産現場の研究者や牛の胚培養士として活躍しています。





■ダイビング実習

運動科学教室 濵部浩一 教授

 運動科学教室では、「スポーツ実技」・「スポーツ野外活動」の実習として、ゴルフ実習・ウォーキング実習・ダイビング実習・スキー実習・学内でスポーツ実習(卓球・バレー・バスケ・ストレッチ)を実施しています。

 全学科を対象とした実習です。毎年80名~100名の申し込みがある大人気の実習なので、安全性の観点から年4~5回に分けて行っています。全学科共通なので他学科の友達もできます。9月コースは沖縄・那覇を拠点として世界有数の透明度を誇る慶良間諸島でダイビング実習を行います。3月コースは宮古島・石垣島など八重山諸島を拠点としてダイビング実習を行います。少人数で安全管理と妥協のない講習内容を重視した実習です。インストラクター1名に対して講習生は4名程度です。引率者により実習中、水中写真を撮影します。時間をかけてじっくり行う高度なトレーニングでライセンス資格取得まで指導します(本学学生過去約1100名の合格率99.9%)。しっかり「ダイバー」と胸を張って言えるスキルを身に着けます。運動が苦手、泳ぐのが苦手でも経験豊富なスタッフが優しく粘り強く指導します。1回目、2回目はプールでのダイビングおよびマスククリアなどの練習。3回目からは本格的な海でのダイビングで5~7m程の深さへ潜る。最終5回目には慶良間諸島・八重山諸島までボートで移動。水深15mの世界へ。無重力WON1回の潜水は約40分です。透明度30m以上の美しい海と自然いっぱいの慶良間諸島・八重山諸島。OWライセンス取得者はさらに上級ライセンスのアドバンス(ボート5本)または FAN(ボート6本)コースでの参加も可能です。