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学生からのレポート

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2025年度食品セミナーII in北海道

3年次 松井 杏華

 9月1日からの3日間、札幌を中心に工場視察などをおこなう実習に参加しました。東京はまだまだ蒸し暑く、不快感を覚える状態でしたが、北海道は涼しい気候でした。雨も降っていましたが、快適に過ごせました。

【1日目】キッコーマン工場見学

 北海道キッコーマン株式会社の工場見学では、醤油作りの工程だけでなく、キッコーマンがはじめてペットボトルに食品を詰めた会社であることや、醤油からできた搾りかすを無駄にせず、牛の餌にするなどSDGsにも積極的に取り組んでいることを知ることができました。また、現在、世界中にキッコーマンの工場があり、各地に適した醤油を現地で製造・販売することで、収益を拡大してきているという話も聞けて興味深かったです。最も驚いたことは、工場内で働く方の数が少ないことでした。ほとんど全てが機械によって管理されており、衛生管理の徹底やヒューマンエラーの減少にとって効率的なのだろうと感じました。

【2日目】自主研修

 まず、石狩郡にあるロイズタウン工場を訪れました。カカオファームゾーンでカカオ農場体験を、工場体験ゾーンではロイズのチョコレートができるまでをゲーム感覚で体験でき、カカオについての知識を深め、ロイズのチョコレートの製造工程を学びました。なかなかお目にかかれない、チョコレートに関するアンティーク作品の展示もあり、楽しむことができました。
 次に小樽へ移動し、駅周辺や小樽運河を散策しました。小樽ミルクプラントの建物は、昭和11年に小樽保証牛乳(株)の事務所として建てられ、小樽市歴史的建造物に指定されています。ここではNYジャンボと呼ばれる約30センチのソフトクリームや北海道ミルク味といったユニークな商品がありました。涼しかったので、NYジャンボには手を出せませんでしたが、ソフトクリームを班のメンバーと堪能しました。小樽運河周辺は、大正時代から昭和初期にかけての建造物が多く残っていて、当時の風情を感じられる場所でした。

【3日目】サッポロビール工場見学

 サッポロビール工場では、サッポロクラシックについての説明を受けました。ほとんどのビールの大麦は海外産のもので製造されているが、サッポロクラシックは一部北海道産のものを使用し、ホップも上富良野で採れたホップの雌株の花部分のみを使用しているそうです。ホップの雌株のみに存在するルプリンがビールの香りや味に関与していることを知りました。ホップをペレット状にして工場に運び、麦芽と共に高温短時間で製造するホッホクルツ製法でつくりあげると、通常のビールと違い、十分な麦の旨味と、苦味の少ない爽快な味が生まれ、これがサッポロクラシックの特徴となります。北海道にこだわったものであるため、北海道でのみ販売しているそうです。
 試飲させていただいたところ、ビール特有の苦味はあるものの、飲みやすかったです。また、富良野VINTAGEというサッポロクラシックの商品もあることを知りました。こちらは毎年10月発売のため、今回はお目にかかることができませんでしたが、次に北海道に訪れた際には、どちらも食事と共に飲んでみたいと思いました。

【「食品セミナーII」シラバス概要】

    授業のねらい

  • 国内の畜産・水産・農産の各分野における食品関連工場の見学をおこない、製造工程、衛生管理、品質管理の現場を見て、説明を聞き、理解することを目的とする。

  • 到達目標

  • 各食品工場で実施されている「安全」・「衛生」・「品質管理」に関する概要を理解し、説明できる。見学した食品工場で製造されている食品の製造工程の原理を理解し、説明できる。

  • 授業形態

  • 国内の食品工場(菓子製造・海産物加工・食肉加工・酒造・穀物加工・飲料製造)や農場・牧場の見学。