富士アニマルファームMENU

牧場長の挨拶

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

富士の大地で未来を耕す
─教育×研究×生産×社会貢献の最前線

富士アニマルファーム牧場長
小澤 壯行

 皆さま、日本獣医生命科学大学付属富士アニマルファームの牧場長、小澤壯行です。霊峰富士の麓、標高1000mに位置する富士アニマルファームは、日本有数の集約酪農地域の中核を担っています。この恵まれた環境のもと、私たちは動物産業に関する教育を通じて産業の発展と次世代の担い手育成に貢献することを使命とし、日々活動を続けています。
 本学の付属牧場である富士アニマルファームは、「教育」「研究」「生産」「社会貢献」の四つの指針を掲げ、その実現に向けた取り組みを進めています。
 まず、教育についてです。東京の交通至便な地域にキャンパスを構える本学にとって、富士アニマルファームは獣医学科、獣医保健看護学科、動物科学科、食品科学科における教育・研究に不可欠な施設です。学習環境の向上を目的に、令和6年春には富士セミナーハウスB棟が新設され、60名以上が完全個室で宿泊できる施設となりました。ここでは温かく美味しい食事が3食提供され、長期実習や研究活動にも対応できる環境が整っています。また、令和8年度からは東京都三鷹市と連携し、市内学童を対象とした酪農体験講座(酪農教育ファーム)を開講する予定です。
 次に、研究についてです。富士アニマルファームでは多様な飼養動物を用いた研究が展開されています。具体的には、泌乳牛の分娩後の子宮・卵巣機能回復、周産期疾病(特にケトーシス)の診断・治療、肉用牛の採卵・体外受精卵の作成、育成・肥育、アニマルウェルフェアに準じた生乳生産システム、大学が行う酪農教育ファーム事業に関する研究などがあります。このように付属牧場として常に最新の知見を生み出し、教育と研究の両面から畜産業の発展に貢献してまいります。
 続く、生産についてです。現在の飼養頭数を維持するためには施設規模の拡張が必要ですが、令和5年度に隣接農家の土地を購入し、施設拡充計画を進めています。これにより自給飼料の確保や放牧地の活用が可能となり、持続可能な牧場経営の実現を目指しています。また、アニマルウェルフェアに配慮した飼養環境を整え、安全で付加価値の高い畜産物を生産し、牧場の価値向上を図ります。さらに、富士アニマルファームで生産される高品質な堆肥は、大学周辺の市民農園などで有効活用する予定です。
 最後に、社会貢献についてです。地域社会への貢献は、富士アニマルファームの重要な使命の一つです。現在実施している家畜人工授精師講習会や高大連携事業に加え、酪農教育ファーム認証牧場としての活動を強化し、地域のニーズに応じた新たな価値を創造してまいります。また、新セミナーハウスおよび富士アニマルファームの施設は、企業研修やリメディアル教育にも活用可能です。
 このように富士アニマルファームは、「教育」「研究」「生産」「社会貢献」の四つの柱を軸に、常に新しい価値を生み出す付属牧場を目指し、発展を続けてまいります。今後の展開にぜひご期待ください。皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。