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牧場長の挨拶

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

未来を拓く畜産学教育のために

富士アニマルファーム牧場長
長田 雅宏

 戦後まもないわが国は、食糧増産のため有畜農家創設事業を推し進めるとともに、大学令により農学・畜産学系の大学が次々に新設されました。私立大学における畜産学教育の原点がここにあり、わが国存続の根幹をなす農業・畜産分野を牽引してきました。しかし、21世紀になると多くの畜産系大学は、学部や学科名を動物科学・資源生物科学・応用生物科学等に改め、動物全般を科学するカリキュラムに改編されました。もはや「畜産」に特化する大学は数えるほどにまで減少し、理学系研究に軸足を置く動物科学へと進展したのです。本学は2001年に学科名を動物科学科に改め、2003年には応用生命科学部に改組しています。これまでにおよそ3,000人余の卒業生を輩出し、畜産現場はもとより、動物関連企業・食品・製造・医療などあらゆる分野で活躍しています。
 動物科学系大学の目的は、広く食資源としての動物生産や管理、飼養に関する学理の探究と技術の開発、ならびに人類と動物の福祉に貢献する資質に優れた専門職を育成することです。専門的知識の修得と同時に、身につけた知識を実践につなげる行動力が不可欠となります。これらを養うためには学内実習・演習をはじめ、牧場や動物園などで実際を学ぶ学外実習が最も効果的と考えております。付属牧場における農場実習は、学外実習のスタートアップとして位置づけされます。実学を礎に、産業動物に直接向き合うことで、はじめて畜産業とは何かを理解し、農業の厳しさ、大切さ、そして楽しさを修得できるのです。畜産の分野が不向きであることを知るのも然り、ここでの実習は初期のトレーニングとして段階的に学び、畜産に対する興味や食料生産の重要性、食農教育を理解することで自己啓発も高まり、いわば体験を含む畜産理解の醸成の場として大変重要な施設と認識しております。
 私は、2002年に富士アニマルファームの技術職員として着任し、牧場業務に携わってまいりました。2011年に教員となり付属牧場の研究・教育・地域社会との交流に努める傍ら、本学学生に専門である畜産経営学を教授してまいりました。古巣に帰着した今、富士アニマルファームの展開と私の付属牧場への想いを記します。生産あっての教育の場であることは否めません。しかし、大学教育は、研究を中心とした施設・環境でなければ目的は達成できないと考えております。さらに、大学の付属施設は、地域や社会に貢献できる情報発信が求められています。食農教育をはじめ、担い手の育成のために、人材創生の場として後継者を育てなければなりません。実際に卒業後の進路をみますと、畜産業の担い手や関連企業を牽引する優秀な人材として活躍しています。都会にあって、本学でしか成し得ない食料生産、動物医療の研究と教育、動物を通じて社会貢献に努めるという目的を達成するため、実践的な技術革新を信条に、明日の動物科学を構築していきたいと考えております。