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副牧場長の挨拶

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

常に前進する付属牧場

富士アニマルファーム副牧場長
松本 浩毅
(獣医学科獣医内科学研究室 准教授)

 本学付属牧場である富士アニマルファームは、大学から片道約2時間で日帰り可能な芙蓉峰の麓に位置し、付属牧場が宮城県内にあった頃に比べれば大学からの移動が非常に便利になりました。学外に牧場があるということは日常とは異なる環境で学べる点で非常に新鮮であり刺激的です。また、併設されている富士セミナーハウスや隣接する牧心セミナーハウスを利用すれば長期的な実習や研究も可能であり、個々が優先される傾向にある現代において、俗にいう「同じ釜の飯を食う」貴重な機会を得られる環境にもあります。
 アニマルファームは、「教育」や「研究」とともに「社会貢献」そして「生産性向上」などの使命をおびています。
 教育環境としての質の向上についてはアニマルファームスタッフと担当教員の信頼関係の維持が不可欠ですが、学生を支援される後援会(旧父母会)の皆様に対しても深いご理解とご協力を得られるよう施設見学会を開催しています。また、牧場スタッフは少人数に限られたなか、4月から10月までに集中する学生実習では学生が最良の経験が積めるようにと午前3時過ぎには出勤し、準備に余念がありません。
 学外の研究者にも研究目的でアニマルファームの施設や家畜を利用いただいていますが、2019年の春に新築成った牛舎は生産者の側面とともに研究や教育の視点からの工夫も多く取り入れられました。また、東京都や長野県の高校生を対象にした高大連携事業としての技術講習会、動物関係専門学校の大動物実習そして山梨県家畜保健衛生所による口蹄疫の防疫演習などへの全面的な協力により社会へ貢献しています。
 2020年からは当年春に着任した牧場専任教員(獣医師)の人工授精による受胎率はそれまでよりも飛躍的に向上しました。さらに、夏季に頻発する乳房炎ですが、今夏の発生は皆無であり、牧場スタッフの牛体管理能力の高さが裏付けられております。今後は牛乳の出荷や堆肥の販売に加え、アニマルファームで培った受精卵移植や受胎向上の研究技術を利用し、さらなる生産性の向上が期待されています。
 富士アニマルファームは一般的な牧場に比べ多様な目的を有するため、あらゆる面で試行錯誤を繰り返す日々ですが、畜産にこだわりながら前進してまいります。ご来場された方々には食の安全・安心とともに、感動や感謝の念を抱いていただければ幸甚です。

持続可能で多様性のある牧場を目指して

富士アニマルファーム副牧場長
柴田 昌宏
(動物科学科動物栄養学教室 教授)

 本学の付属牧場である富士アニマルファームは、学生、教職員の間では「アニファ」と呼ばれ、親しまれています。このアニファですが、現在、新たな整備計画が進められています。これは、これまで以上に魅力あるアニファを構築するためのもので、多くの関係者からの期待も寄せられています。この取り組みは、教育・研究および実学の場としての牧場の機能を拡充するものです。その一つが多様性のある牧場です。
 現在のアニファは、多くの産業動物が飼養されており、特に乳牛については繫養頭数も多く、これらを活用した活発な教育・研究活動が進められており、アニファの顔となっています。そうした中、2019年には新たな牛舎として「肥育牛舎」が建設されました。これは和牛に代表される肉牛の飼養環境を整えるもので、これにより肉牛の繁殖、哺育・育成および肥育の試験に取り組むことができ、新たな教育・研究の機会を得ることができます。この様に試験研究として扱える畜種を増やすことは、教育・研究の拡充を図ることができ、すなわち多様性のあるアニファへ生まれ変わることができます。また、産業動物を扱っているため、畜産物を得ることができ、これらは大切な収入源となります。この収入源についても、これまでの生乳に偏重したものから枝肉など、多様化できることは、事業外収入におけるリスクマネージメントを考慮した対応となります。
 近年、国連により持続可能な開発目標(SDGs)が設定され、その中に、飢餓、食料安全保障と関連させ、持続可能な農業の促進が取り上げられています。わが国の畜産は7割以上を輸入飼料に依存し、なかでも肉生産家畜は、穀物飼料を多給している現状があります。穀物飼料は、ヒトの食料と競合します。こうしたことからアニファでは、単なる生産牧場としてではなく、穀物に依存しない、地域飼料資源を活用した持続可能な畜産を目標に、そのための試験研究を実施します。これは世界的な食料問題の解決の糸口となり、グローバルな視点からの実学教育を通して、専門職への従事者の育成につながります。これらの取り組みは、アニファならびに本学の社会的責任を果たし、地域から世界へ貢献するための重要なミッションとなります。
 これからアニファでは、様々な変革が訪れます。現状維持が一番楽だという見方もありますが、さらに魅力あるアニファを構築するため、是非とも教職員、関係各位のご理解と、ご協力をいただきたいところです。