【研究の方向性】
良質の獣医療を語る時に動物看護師の存在は重要です。現在、動物看護師としての法的な裏付けが存在しない時代だからこそ、実践動物看護学分野の研究は重要であると考えております。この研究分野は動物看護の専門性を証明に必要な、臨床動物看護、動物看護教育、動物看護管理、国際動物看護の4つのテーマを沿った目的をもつ分野です。今後も動物看護の視点や役割の明確化を大きな目標として、積極的に研究内容を明文化することに貢献したいと考えています。 現在は、皮膚分野での確立を柱にしております。
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被毛は、動物看護を実践する上で外的環境である美容的側面と、内的環境である皮膚疾患や全身疾患、体表に関わる外科処置などの広範な動物看護領域に関わります。イヌには多種の品種があり、その多様性には被毛が大きな役割を果たすと考えられていますが、具体的な指標で比較されていません。現在、大学院生が1名取り組んでおります。
動物のシャンプーの回数に関して、百家争鳴状態です。なぜなら、野生の動物にシャンプー(入浴)をする文化・文明はないからです。科学的な立地点から、シャンプーの回数などのなぜ?に答えます。
教育研究を実際の教育現場の教員に還元できるように、研究・発表を行っています。研究生1名が、チーム・ベースド・ラーニングとオンディマンド・ラーニングを組合わせた実習の評価を行っています。
デンタルケアは飼い主が非常に興味を持つ内容であり、動物看護師が援助をおこなう大きな分野です。歯ブラシの開発や歯磨きの方法、飼い主の意識調査など研究を積み重ねてきました。2014年10月26日一般社団法人日本動物看護職協会第4回動物看護大会にて、本学大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程・蒔田成美さんが大賞を受賞しました。
高齢動物が多くなった現代では、寝たきり動物の援助や椎間板ヘルニアや断脚術後のリハビリテーションは動物看護師が介入する大きな分野です。体圧測定センサーシートを用いて動物の褥瘡の生じ易い部位や断脚術後の四肢の荷重の推移などを研究してきた。その成果として、介助器具(立位訓練および食事介助用の器具)の開発に協力しています。
動物看護師の専門分野の確立を目的として、「動物看護皮膚科美容研究会」を2017年より開始いたしました。講義と実習を行なっておりますが、とくにウェットラボ(実習)を開いているので、ご興味のある方はホームページからセミナーの日程情報を確認することができます。ぜひ、ご参加ください。
(内容)普段の皮膚科診療に役立つコンテンツを増やしております。治療用の洋服を手作りをしたり、シャンプーを構成する香粧品製剤を学び、実習で作成した自作シャンプーでウェットラボを行うなど興味深い実習を提供しております。
犬における慢性増殖性皮膚炎の治療である、ステロイド外用パルス療法(MMD療法)を開発いたしました。すでに全国の獣医師の方々に利用されています。動物看護師が診断・治療に参加できるように、皮膚テープストリッピング検査の標準方法を開発いたしました。また、新たな外耳炎治療戦略を考案いたしました。現在、本学付属動物医療センター研修医に対してこれらの診断・治療方法の指導をおこなっています。