研究室紹介と研究内容
私達の研究室では乳および食肉を中心とし教育・研究を行っております。特に加工、調理、貯蔵中に起こる成分変化のメカニズムを解明し「安全かつ良質な畜産食品作り」を目指しております。栄養成分に富み、日々の食卓を彩るヨーグルト・チーズならびにソーセージ・ハム等はどのように作られているのか? さらに美味しくするためにはどうしたら良いのか? 畜産食品の製造から生化学的分析まで幅広く学べる研究室です。
教員紹介
- 氏 名:阿久澤 良造 教授
- 学 位:博士(農学)
- 専門分野:乳科学分野
- 担当科目:乳化学・乳製品製造学・卵と卵加工法・食品科学概論
- 乳化学実習・乳製品製造学実習・食品科学概論実習
- 氏 名:三浦 孝之 助教
- 学 位:博士(農学)
- 専門分野:乳科学分野
- 担当科目:乳化学実習・乳製品製造学実習・食肉化学実習
- 肉製品製造学実習・食品科学概論実習
Close-Up「研究」
本研究室では特に乳製品の品質向上および創製への寄与を目的とし、酵素学的なアプローチでその目的に取り組んでいます。これまで本研究室ではチーズに熟成に関わる様々な酵素を発見しており、低温熟成に適した、低活性化エネルギーで作用するプロティナーゼや1つの酵素で2種類の分解活性を示すアミノエンドペプチダーゼなど複数のプロテアーゼを乳酸菌から発見してきました。また、最近では乳酸菌あるいは原料乳から以下の酵素を分画することに成功し、その特性を明らかにしております。
■ 酸性ホスファターゼ(EC 3.1.3.2)、プロテアーゼ(EC 3.1.3.2)
近年、乳タンパク質(カゼイン)の分解を助ける酵素(酸性ホスファターゼ)を原料乳および乳酸菌から分画することに成功しました。この酵素は乳タンパク質に結合したリン酸を離脱させることで、カゼインの分解を促進すると考えられています。
■ アミノ基転移酵素(EC2.6.1.)
プロテアーゼや酸性ホスファターゼの働きによってカゼインの一部はアミノ酸まで分解されます。このアミノ酸は「アミノ基転移酵素」によってさらに小さな化合物へと変化しチーズの特徴的な香りを生じます。
本研究室ではこの「アミノ基転移酵素」を乳酸菌から見いだし、その性質について研究を行っています。
このようにチーズの熟成に関わる酵素の性質を掌握することで、熟成をコントロールして、より高品質なチーズ製造が可能になります。
その他、人々の健康に関わる成分として注目されているラクトフェリンや茶カテキン、あるいは食品の物性を改善する酵素(トランスグルタミナーゼ)などを用いた新規乳製品の創製なども取り組んでおります。
興味をもった皆さん私達と一緒に極上の乳製品製造へ向けて研究をしませんか。

図1ナチュラルチーズの熟成に関わる酵素
ゴーダチーズやチェダーチーズなどのセミハードタイプチーズ、パルメジャーノ・レッジャーノやペコリーノ・ロマーノなどのハードタイプチーズ、これらのチーズは低温・衛生的な環境で3ヶ月~2年にも渡る長期間の熟成を経ることで良質なチーズとなります。この熟成期間中には生乳または微生物由来の酵素によって乳成分が分解され好ましい味や香りが生成されるのです。
図2研究室オリジナル乳製品
学生からの一言
馬場 亜沙美(M1)
私は「ミルク中の微量成分であるラクトフェリン」について研究しています。ラクトフェリンは整腸作用や肥満防止など数多くの生理的効果が報告されている分子です。私は研究を重ねるたびにそのテーマに魅せられ大学院進学を決めました。乳肉利用学教室は自分の努力次第で研究をどんどん進めていくことができるため、昨年度は学会発表を行うなど、その努力を認めてくれる素晴らしい環境にあります。これからも、好奇心を持って研究に励んでいきたいと思います。
阪本 匠(4F)
学部生は先生や大学院生との適度な緊張感の中、自己成長という高い意識を持って生活しています。私は「生姜酵素が乳に及ぼす影響」というテーマで研究しています。このテーマは始まって間もないですが、チーズの品質改善や新たな乳製品創出に関わる可能性が秘められています。このような創造的なテーマに対し、私達学生自身の視点から挑戦しテーマを遂行できるのも、この研究室の魅力の一つだと思います。


























