農産食品学教室

前へ戻る

研究室紹介と研究内容

お米や小麦などの穀類、サツマイモやジャガイモなどのイモ類、また、各種の野菜や果物などは昔から人間を支えてきた主要な食料資源です。これからの植物性の食品材料は、収穫された後も生きています。貯蔵したり、調理や加工をすると、味や匂いが変わってしまうことを経験した事があると思います。これは、細胞の内部で酵素と呼ばれるタンパク質が働いて化学反応を起こしている為です。私たちの研究室では、このような酵素について、その構造や作用の特徴、貯蔵や調理・加工との関わり、あるいはその働きを制御する方法などを調べています。さらに、緑茶に含まれるカテキン類や紅茶赤色色素のテアフラビン類などのポリフェノール類について、化学的な性質と生理機能の関係を解析しています。また、酵素を利用して、味や栄養等の改良に役立つ食品成分を効率よく作り出そうとする酵素バイオテクノロジーの立場からの応用的な研究も進めています。

笠置 佐和子

教員紹介

中山勉教授
  • 氏 名:中山 勉 教授
  • 学 位:農学博士
  • 専門分野:植物性食品やその成分を対象とした食品科学
  • 担当科目:農産食品学(分担)・農産資源論(分担)・生化学・
  • 農産食品学実験・食品科学概論(分担)・食品科学概論実験(分担)
  • 研究者情報 (クリックで研究者情報ページへジャンプします)
奈良井朝子
  • 氏 名:奈良井(金山) 朝子 准教授
  • 学 位:博士(農学)
  • 専門分野:食品成分化学、食品酵素学、食品機能学
  • 担当科目:農産食品学(分担)・農産資源論(分担)・農産食品学実験・
  • 食品科学概論(分担)・食品科学概論実験(分担)・基礎化学
  • 研究者情報 (クリックで研究者情報ページへジャンプします)

Close-Up「研究」

当研究室では、大きく二つのテーマに沿って、タンパク質の生化学的な取り扱い方法を実践し、酵素について学んでいます。

■ 穀物、豆類、イモ類、野菜・果実類などの植物性食品素材の貯蔵や調理加工中に生じる成分変化に関わる植物酵素の探索と、 その特性解析についての研究

<オリゴ糖の合成や分解に関わる酵素の解析>

腸内環境改善や成人病予防に効果的であることが知られるフルクトオリゴ糖を豊富に含有しているキクイモの一種ヤーコン」に注目して、研究を進めています。貯蔵や加工中に起こるフルクトオリゴ糖の量的・質的変化を分析し、合成系および分解系の酵素の活性との相関を調べています。さらに、関連酵素の分離精製と特性解析を行なうことによって、ヤーコンに含まれる有用なフルクトオリゴ糖を我々の食生活に効果的に活かせる貯蔵・加工方法の確立を目指しています。

■ 酵素を利用した生理活性成分の合成に関する研究

<有用なポリフェノール性化合物の合成>

昨今、緑茶中のカテキンの他に紅茶の赤色色素成分についても抗酸化性、抗菌性、血糖値上昇抑制、脂質代謝改善などの機能性が相次いで報告され、注目が集まっています。これらの成分は茶葉中のカテキン類とポリフェノール酸化酵素の反応によって生成することが知られています。しかし、紅茶中の赤色色素成分は微量であるため、化学的特性や機能性を調べ、作用機構を解明するにはこれらの成分を高純度で大量に入手する手段が必要です。そこで、当研究室では茶以外の野菜や果物に含まれるポリフェノール酸化酵素を利用して、茶葉中に豊富に含まれるカテキンから紅茶の赤色色素成分を低コストかつ大量に調製する技術を開発しています。

緑茶・紅茶

<有用な食品ペプチドの合成>

天然のタンパク質材料を酵素分解して生じるペプチド画分から、血圧低下作用、抗酸化作用などをもつ機能性ペプチドが見出されています。そこで、それらの構造と機能発現の相関を追究しています。
また、ある種のタンパク質分解酵素を利用すると、アミノ酸から機能性ペプチドを合成することができます。そこで、酵素がどのような反応機構に基づいてペプチド合成を行なうのか、その仕組みの追究を通して反応の特徴を明らかにしようとしています。また、そこで得られた知見を活かして、優れた味や新規機能性をもつペプチドの合成を検討し、収率の高い反応を目指しています。

学生からの一言

増田 悠也 (食品科学科4年次)

私は紅茶に含まれる成分がもつコレステロール吸収抑制作用に関する実験を行っています。紅茶やコレステロールといった身近な内容の研究であるため、研究内容の理解が深めやすく、実験がとても楽しいです。また、この研究が進めば、多くの人が悩まされ、自分も悩むことになるであろう、血中コレステロール値の改善につながると思われるので、しっかりと実験を重ねたいです。

内田 有香 (食品科学科4年次)

私は緑茶中のカテキンから酵素を用いて紅茶のテアフラビンを合成しています。しかし、テアフラビンの収量は低く、それ自体が不安定で壊れやすいという特徴があります。そこでテアフラビンの収率・収量の向上を目的として、酵素反応を妨害する反応生成物とその影響を調べています。本研究室はHPLCという分析機器を使うことが多く、専門的な技術などを身につけることができます。また、先生方が親身になって質問や相談にのってくださるため、実験がしやすい環境であると感じています。