食品安全学教室

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研究室紹介と研究内容

食品の安全にかかわる問題は、病原菌やカビが作る毒素、カドミウムやヒ素、放射性物質のような環境汚染物質、アレルギーを引き起こす各種アレルゲン、調理・加工中に食品成分の熱反応で生じる発がん物質、農薬、食品添加物、遺伝子組換え食品など広い分野にわたっています。また、食品の信頼性を損ねる原材料や加工方法の偽装も、安全性に関わってくる場合があります。これら様々な食の安全に関する問題の中から研究テーマを設定し、研究活動を行っています。

教員紹介

吉田充教授
  • 氏 名:吉田 充 教授
  • 学 位:農学博士
  • 専門分野:生物有機化学、分析化学
  • 担当科目:食べ物の安全性、食品安全学、食品添加物論、食品安全学実験、食品科学概論(分担)、食品科学概論実験(分担)、食品科学基礎実験(分担)
  • 研究者情報 (クリックで研究者情報ページへジャンプします)
知久助教
  • 氏 名:知久 和寛 助教
  • 学 位:博士(農学)
  • 専門分野:生物有機化学、応用生物化学、糖質科学
  • 担当科目:食品化学実験、食品安全学実験、食品科学概論実験(分担)、食品科学基礎実験(分担)
  • 研究者情報 (クリックで研究者情報ページへジャンプします)

Close-Up「研究」

現在進行中の卒論研究テーマ

  • 調理・加工時の加熱によりアミノ酸と糖が反応してできる発がん物質の実態調査

  • 東日本大震災時の福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質の食品加工における動態解析(農研機構食品研究部門との共同研究)

  • 農産物や食品の偽装を見破るための判別技術の開発(農研機構食品研究部門との共同研究)

  • オリゴ糖とアミノ糖の褐変化反応による新規反応生成物の解析

  • 酵素合成法による食品利用に向けた糖質の大量調製技術の開発

  • 食用・薬用キノコにおける自然毒の発生要因や蓄積要因を考慮したリスク管理

学生からの一言

新正 浩暉(食品科学科4年次)

 私はオリゴ糖の合成に適した糖質関連酵素の探索とそれを利用したオリゴ糖の酵素合成技術の開発というテーマで卒業研究を行っています。オリゴ糖はプレバイオティクス効果など様々な生理機能が知られており、機能性を有したオリゴ糖の高効率でかつ安価で安全な生産技術が求められています。本研究室では糖質関連酵素の探索源として、食経験が豊富であり、糖質関連酵素を数多く含むキノコを用いて実験しています。
 また本研究室ではキノコの新しい菌株の確保のために夏の長期休暇を利用して、他大学の方と一緒にキノコ狩りも行っています。このフィールドワークにより、キノコのことがよく分かり、卒業研究の参考にすることができました。

富士山5合目でのキノコ採取

佐藤 楓(食品科学科4年次)

 私は加熱工程におけるアミノ糖の化学変換とその反応産物の解析というテーマで卒業研究を行っています。アミノ糖とは単糖の一部の水酸基がアミノ基に切り替わっているものの総称であり、その代表的な例としてグルコサミンがあります。近年グルコサミンやそれを含むオリゴ糖の生理機能が注目されていますが、それらは熱に対して不安定なことがあり分解されてしまいます。私はその熱分解の反応メカニズムを明らかにし、グルコサミンを含む糖質を食品中で使う際に必要な基礎的データを集めることを目的に実験しています。
 この卒論テーマでは化学反応を用いるため物理化学や有機化学の知識を学ぶことができます。また長期休暇期間などを利用し、つくば市にある農研機構の食品研究部門に行き分析機器を使わせてもらっています。この実験は特に、正確かつ精密な実験操作を求められるため、上手くいかないこともあります。しかし、上手くいかなかった実験の問題点を洗い直し、諦めず何度も挑戦することで自身の実験技術は必ず向上し綺麗な結果を出せることをこの研究から学びました。

熱分解産物の機器分析

細沼 亜里沙(大学院応用生命科学専攻 博士前期課程2年次)

 私はつくば市にある農研機構の食品研究部門との共同研究で、安定同位体比分析を用いた米など農産物の産地判別技術の開発を行っています。この分析法は、欧米ではワインやチーズなどの産地判別に応用されている技術の一つです。作物が育ってきた土地の地理的条件や気候などにより13C/12Cや18O/16Oのような安定同位体比が変化するため、この情報を利用し産地判別を試みます。また、安定同位体は加工による影響が少ないために、加工品の産地判別も可能であると考えています。
 現在、私たちの身の回りには国産から外国産まで様々な食品があり、食品の偽装事件も後を絶ちません。この産地判別技術が確立されれば国内での産地偽装や外国産を国産とした偽装などを見破ることができます。この研究を進めることで産地偽装を減らし、食の情報の信頼性を高め、食の安全にも役立てたいと考えています。

食品加工実験