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5つのまなび教育

食品科学科MENU
日本獣医生命科学大学

食品科学科とは?それは「食の総合科学を実践する」学科です。
「5つのまなび」では、その内容を纏めています。食品科学科に入学するとどんなことを学ぶのか具体的にご紹介します。

食品学
食品のおいしさと安全性
食品機能学
食品の栄養と生体調節機能
食品加工貯蔵学
食品の加工と貯蔵
食品経済・経営学
食品の流通と経済
食品生命科学
バイオテクノロジーなど
食品素材の生産に関する科学・技術
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※ 上記ボタンをクリックすると、内容を表示します

食品学 (食品のおいしさと安全性)

食品のおいしさの秘密を知り、生産・流通における安全性確保のための工夫を学ぶ

食品には栄養素としての働き(一次機能)、人間の五感に訴える嗜好性としての働き(二次機能)、人間の健康、身体能力、心理状態に好ましい影響を与える機能性としての働き(三次機能)といった主に三つの働きがあります。人が生きていくためには栄養面への配慮が必要ですし、健康に生活するためには機能面も重要です。しかし毎日食べ続ける食品は、おいしく(嗜好性)、安心して食べられるものであることが必要です。

では、食品がおいしいとはどういうことでしょう?
食品科学科の講義では、おいしさの要因の一つである食品の物性(テクスチャー(質感、歯ごたえ、舌触りなど))を学ぶと共に、おいしさに関わる様々な重要成分(天然色素・呈味[ていみ]成分・香気成分)についてその性質や構造を理解します。さらに、貯蔵や調理によって食品の物性や成分組成がどのように変化し、おいしさにどのような影響をおよぼすのかを学びます。実験・実習では、食品のおいしさに関わる物性および成分を測定することによって、食品分析の手法を習得します。

次に、食品の安全を守るためにどんなことが行われているのでしょう?
例えば、食品製造の現場では、食品の変質・腐敗や摂食した人間に感染症を引き起こす有害微生物による汚染を防ぐため、合理的・組織的な管理システム(HACCPなど)が採用されています。また、流通の現場には、原材料の由来や鮮度を管理するために、材料や製品の履歴を追跡・確認できるトレーサビリティシステムがあります。食品科学科では、これら安全管理システムとそこで必要とされる生物・化学的な検査技術について学びます。また、加工食品の変質を防ぎ保存性を高める目的で利用される食品添加物の種類と効果、さらに安全性の評価や表示方法・利用に関する法規制についても学習します。

食品機能学 (食品の栄養と生体調節機能)

食品の栄養機能と生体調節機能を知り、生体に及ぼす影響を学ぶ

私たちは様々な食品を食べて、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を摂取しています。これら栄養素の不足や過剰摂取は健康面に大きく影響し、生活習慣病など様々な病気の発症に繋がります。

一方で、ヨーグルトやオリゴ糖にはお腹の調子を整え、便通を改善する効果があるというように、ある種の食品や食品成分は健康維持に効果的な作用(=生体調節機能)があることで注目されています。現在では、健康面に好ましい影響を与えることが科学的に証明された食品を消費者庁が「特定保健用食品」として認可し、その機能性の表示を許可しています。

栄養バランスの偏った食品摂取は病気の原因になることもありますが、病気の予防に役立つ食品もあるため、食品の栄養・機能性について充分理解することが重要です。
食品科学科では栄養素の化学的・生化学的性質とそれらの体内での消化、吸収、代謝について理解を深めると共に、食品成分が生体に及ぼす作用について学習します。

食品加工貯蔵学 (食品の加工と貯蔵)

食料の安定供給のための加工・貯蔵を学ぶ

四季の移り変わりは人々を楽しませてくれますが、食料の安定な供給の妨げにもなっています。豊富にとれた食料は、次の収穫期まで長期に貯蔵しなくてはなりません。また、人間活動の利便性のためにも食料を加工・貯蔵して、中・短期的に利用する必要があります。そこで人間は、食材の安全性、貯蔵性および輸送性を高めるために様々な食料の貯蔵・加工方法を編みだしてきました。

例えば、加工・貯蔵方法には、腐敗や食中毒を防ぐための様々な技術が利用されています。微生物の数を大きく減少させる殺菌の技術として、加熱殺菌(缶詰,レトルト食品)、ろ過殺菌(生ビール)などがあります。微生物の増殖を抑える保存の技術として、冷蔵・冷凍(チルド・冷凍食品)、乾燥(乾燥食品)、塩・糖漬け(漬け物,ジャム)、酢漬け(ピクルス)、醗酵(チーズ,味噌)などがあります。食品科学科では、これらの殺菌・保存技術の理論を講義で学び、さらに、その技術を応用した食品の製造を実習で体験します。

また、さらに高品質な「加工食品」を開発するために、科学的に裏付けされた技術や考え方、食に関わる最新の情報を学ぶ必要があります。講義で農畜水産物の科学的性質ならびに基礎・最新の加工・貯蔵法を学ぶと同時に、実習を通して理解を深めます。このようなカリキュラムを通じ、加工食品の本質を理解し新たな発想を生み出せる人材の育成を目指しております。

食品経済・経営学 (食品の流通と経済)

消費者がより良い食生活を送るために必要となる条件と食品産業のあり方を学ぶ

「食品の流通と経済」を学ぶ目的は、食品の生産・製造・流通に関する現状を把握するとともに、消費者の食生活向上に向けた経済的・制度的条件を明らかにすることを通じて、食生活の向上と食品産業の健全な発展の一助となることにあります。

残念ながら現在の食品産業は、度重なる食品事故によって失われた食の安全・安心だけに留まらず、国内農業の衰退による食料自給率の低下や海外からの食品輸入の増大、人口減や就業形態の変化に伴う食料消費の構造変化等に代表されるように、多くの課題を抱えているのが現状です。

さらに、食に関するグローバル化が進むなかでは当分野の分析対象も拡大し、国家的・世界的な課題までが含まれています。具体的には、発展途上国の人口増と飢餓の拡大、その一方で先進国における飽食や食品ロスの増大等があげられ、これらは食料の生産と消費のバランスや分配のあり方に問題があることを指し示しています。また、今後は食料生産と地球の環境問題との関係も、より重要性を増していくと考えられます。

このような食を取り巻く課題に対応していくためには、食品の生産・製造・流通の現状や食料消費の変容動向を踏まえたうえで、食品産業の将来的な可能性や展開方向を検討していくことが求められます。それと同時に、企業の利益と社会的役割との調和や法と制度の望ましいあり方を明らかにしていくことも求められるでしょう。

食品生命科学 (食品とバイオテクノロジー)

食品製造・加工現場を支えるバイオテクノロジーを学ぶ

私たち人間の体はもちろんのこと、食料となる生物の生命活動は、遺伝子やタンパク質などの様々な構成成分やそれらが関わる生化学反応によって支えられています。そのため、食品科学科では、食品の栄養や生体調節機能、あるいは食品の製造・加工を支える技術などを学ぶ上で欠かせない基礎知識を微生物学、生化学、分子生物学などの講義で学習します。

例えば、近年、主要な食中毒菌の検査技術として、食品に混入した菌の遺伝子を増幅して検出するPCR法が取り入れられるようになってきました。この方法では、菌の分離・培養をおこなってから菌の種類を同定する従来の方法に比べ、簡便かつ迅速に結果を得ることができます。

また、微生物が生産するある種の酵素はデンプンからの甘味糖製造に大いに役立っています。このように起源や特性が明らかな酵素を食品工業的に活かす例は数多く、それぞれの用途に応じた酵素の高機能化や酵素そのものの生産量増加には遺伝子工学の知識・技術も必要です。

さらに、講義や実験・実習を通じ、遺伝子を利用した技術が食品の衛生管理だけでなく医療、農業や畜産、食品生産など幅広い分野にわたって応用されていることを学びます。